化学繊維とは?化学繊維の特徴や種類について解説

化学繊維 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような方にオススメ!

・化学繊維ってなに?
・化学繊維の特徴は?
・化学繊維ってどんな種類があるの?

どもどもTにぃです

化学繊維と聞いてみなさんどのようなイメージを抱くでしょうか?
「なんとなく身体に良くなさそう」というイメージを持つ方もいると思います

そのような方、ご安心ください
化学繊維は基本的には危険なものではありませんし、みなさんが着ている衣類にもごく普通に使用されているものです

繊維は大きく分けると化学繊維と天然繊維の2つに分けることができます

天然繊維については下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

     
化学繊維とは人工的に作られる繊維のことです
自然界に存在する天然繊維とは真逆の繊維ともいえるでしょう
そのため人工的に作る繊維だからこそ天然繊維には無い特徴があるんです

また化学繊維は種類が豊富です
化学繊維はその中でさらに4つの群に分けることができます
個別に全てを解説するとかなり数が多くなってしまいます
なので今回はその4つの群について紹介いたします

この記事を読むことで化学繊維の特徴と種類についてお分かりいただけ、化学繊維について理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

  

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化学繊維とは

化学繊維

・化学的手段を用いて人工的に造られた繊維の総称
・人工的に造ることができるため自由度が高くバリエーション豊富
・天然繊維との組み合わせも可能

化学繊維とは化学的手段を用いて人工的に造られた繊維の総称です

繊維は基本的には化学繊維と天然繊維の2つに大別され、天然繊維以外の繊維は化学繊維に分類されます

化学繊維は略して「化繊」と呼ばれたり、人工的に造られることから「人造繊維」と言われる場合もあります

化学繊維は人工的に作られる繊維ですので、その自由度が高いことが特徴です
天然繊維風にしたり天然繊維には無いような機能性を付与したりと、組み合わせしだいではバリエーションが非常に豊富です
それゆえに「繊維の種類」×「見た目」×「機能性」の組み合わせで他社品との差別化を図りやすく、様々な種類の繊維や糸が存在しています

また天然繊維との組み合わせでお互いの短所を補い合うことも可能です
有名なものとしてポリエステルと綿を組み合わせた素材があります
これは吸水性の部分を綿が補い、速乾性の部分をポリエステルが補うことで、水を吸いやすくも乾きやすいという効果が得られます

このようにして化学繊維は非常に汎用性が高いことから衣類だけではなくインテイリアや産業資材など幅広い分野で使用されている繊維です

  

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化学繊維の特徴

化学繊維の特徴

・安定生産できる
・形状を変えることができる
・繊維に異なるものを練りこむことができる
・繊維の長さを自由に変えることができる
・リサイクルできる

【安定生産できる】
化学繊維は人工的に作られる繊維ですので工業生産できるものが多いです
つまり天候などに影響されることなく安定生産をすることができます
この安定生産とは品質も一定で量もコントロールしやすいという意味です
大量生産も可能で比較的価格を抑えることができます

【形状を変えることができる】
天然繊維はもともと繊維状で存在するものを利用しているので繊維の断面形状を変えることはできません
一方、化学繊維は自由に断面形状を変えることができます
通常では化学繊維の断面形状は丸形ですが、三角形にしたり星形にしたり中を空洞にしたりすることができます
この特殊な断面形状の繊維を異形断面繊維と呼び、こうすることで見た目や機能面に変化を与えることができます

【繊維に異なるものを練りこむことができる】
化学繊維は繊維の元となる原料(原液)があります
その原料に異なるものを混ぜることで通常とは異なる繊維を作ることができます
原液に染料を混ぜることで最初から色の付いた糸である原着糸を作ることができます
原着糸に関しては下の記事をご覧ください

また消臭成分や抗菌成分を混ぜることでそれらの機能性を持った繊維を作ることもできます
これらによって通常の繊維とは異なる高付加価値な繊維を作ることができ、他者との差別化を図ることができます

【繊維の長さを自由に変えることができる】
天然繊維はそのほとんどが短繊維でありそれらは長繊維にすることはできません(シルクのみ長繊維)
一方、化学繊維は長繊維も短繊維も作ることができます
ポリエステルでも長繊維のものもあれば短繊維のものもあります
同じ繊維でも長さを変えるだけで長繊維と短繊維という異なる性質を持つ繊維を作り分けることができます
長繊維と短繊維に関しては下の記事をご覧ください


【リサイクルできる】
化学繊維はリサイクルして循環させることが可能な種類があります
リサイクルが普及している繊維としてポリエステルとナイロンが挙げられます
これらは天然繊維と違い土に還ることはありませんが、リサイクルを繰り返して循環させ再利用することができます
近年はリサイクルの動きが活発になり、単なるリサイクル繊維ではなく機能性などを付与した高性能なリサイクル繊維まで出てきています
技術の進歩によってリサイクルの可能性もどんどん広がっているということですね
リサイクルに関しては下の記事も合わせてご覧ください

天然繊維には無い特徴も多く、汎用性が高く便利な繊維が多いですね

  

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化学繊維の種類

化学繊維の種類

・合成繊維
・半合成繊維
・再生繊維
・無機繊維

化学繊維はその中で更に分類することができます
それが「合成繊維」「半合成繊維」「再生繊維」「無機繊維」の4種類です
それぞれ解説しいていきます

     

合成繊維

合成高分子から作られる繊維の総称
略して合繊とも呼ばれます
石油系、石炭系、あるいは植物系の原料から作られる低分子化合物を重合してつくった合成高分子を種々の紡糸方法にて繊維にします
代表例としてナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリルなどが挙げられます
合成繊維に関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

     

半合成繊維

天然高分子を化学修飾したものを原料とする繊維
セルロースやたんぱく質をもとに化学物質を結合させて部分的に改質させます
天然のものに少しだけ手を加えているので半合成という扱いです
代表例としてアセテートやプロミックスが挙げられます
半合成繊維に関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

     

再生繊維

天然に存在する繊維状の高分子物質を溶媒に溶解し、紡糸ノズルから押し出して凝固させ、元の化学構造を有する繊維に再生したもの
現在製造されている再生繊維の大部分は再生セルロース繊維で、代表例としてレーヨン、キュプラ、リヨセルが挙げられます
ちなみにリサイクルを意味する再生とは異なるものですので、再生ポリエステルなどはこの部類ではありません
再生繊維に関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

     

無機繊維

繊維状の無機物質の総称
ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維が挙げられます
無機繊維に関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

  

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まとめ

まとめ

・化学繊維は化学的手段を用いて人工的につくられる繊維
・自由度が高く組み合わせのバリエーションが豊富で汎用性が高い
・安定生産、形状や繊維長の変更が容易、他物質を練りこみ可能などが特徴
・合成繊維、半合成繊維、再生繊維、無機繊維の種類がある

今回は化学繊維について解説してきました

化学繊維は非常に便利な繊維ですので、私たちの日常に関わる広い分野で使用されている繊維です
天然繊維にも素晴らしい特徴はありますが、化学繊維にしかない特徴ゆえに私たちの生活が便利になったり快適になったりしている部分は多くあります

世界的なサスティナブルの流れから天然繊維に注目が集まりつつありますが、化学繊維もリサイクルや生分解、植物由来などの環境配慮型のものが続々出てきています
化学繊維でしかできないことがありますので、どのような状況になっても化学繊維の需要が無くなることはないでしょう

時代の変化に合わせて次々と新しいものが出てくる化学繊維の可能性はますます広がるばかりですね

ではまた!

  

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