色なきとは?色なきの原因とその対策、大丸法について解説

繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・色なきとは?
・色なきはなぜ起こるの?
・色なきの対策方法は?
・色なきの確認方法は?

どもどもTにぃです

繊維製品における「色なき」という現象をご存知でしょうか?

色なきとは色が泣き出したように滲み出すことをいいます

この色なきは衣類等の繊維製品でクレームになりやすい問題であり、目にしたことがある人もいらっしゃるかと思います

原因は様々あり、生産側での問題もあれば使用者側での取り扱い方が原因となる場合もあります

今回はそんな色なきについて解説していこうと思います

この記事を読むことで色なきとは、その原因と対策方法、試験方法に関してお分かりいただけ、色なきに対しての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

     

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色なきとは?

色なき

・濃色が淡色部に滲みだす現象
・染色部分、捺染部分から発生
・水や溶剤によって溶け出す

色なきとは染色あるいは捺染(プリント)された濃色部分から未染色あるいは淡色部分に色が滲み出してしまう現象のことをいいます

特に湿潤状態で発生する場合を指し、染料が水や溶剤によって溶けだすことでそれらと一緒に滲み出してしまいます

染色や捺染された部分の染料濃度が高い場合に発生しやすくなる傾向があります

基本的には湿潤状態での色移りを指すことが多いですが、広義では昇華汚染等も含めた色移り全般を指す場合もあります

     

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色なきはなぜ起こるの?

色なきの原因

・湿潤堅牢度不良
・未染着染料残存
・取扱保管方法

色なきの原因には様々なものがありますが、代表例として「湿潤堅牢度不良」「未染着染料残存」「取り扱い保管方法」の3つが挙げられます

【湿潤堅牢度不良】
湿潤堅牢度不良とは水、汗、洗濯など湿潤時の堅牢度が悪いことを指します
特に水に溶けやすい染料を使用している場合はこの湿潤堅牢度が悪い場合が多いです
湿潤堅牢度が悪い例としてはジーンズを思い浮かべていただくと理解しやすいかと思います

【未染着染料残存】
染色加工時に適切な処理がされていない場合に未染着の染料が繊維上に残ってしまう場合があります
この残存した染料が水等の影響で滲みだしてしまう場合があります
これは水に溶けやすい染料ではなくても起こり得る可能性があるため、染色加工での処理条件はとても重要なものとなります

【取扱保管方法】
誤った取扱保管方法によって色なきが発生してしまう可能性があります
例えば高温多湿の状況下で長期間保管することによって、大気中の酸性ガスと水分の影響で経時加水分解を引き起こし繊維と染料の結びつきが壊れてしまう場合があります
そして着用したときにその結びついていない染料が汗や雨によって滲みだしてしまうという可能性があります
このようにして製造側だけでなく使用側の取扱保管方法も色なきの原因となってしまうことを覚えておくと良いと思います

     

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色なきの対策方法は?

色なきの対策

・フィックス剤使用
・十分なソーピング
・適切な取り扱い

色なき対策の代表例としては「フィックス剤使用」「十分なソーピング」「適切な取り扱い」の3つが挙げられます

【フィックス剤使用】
フィックス剤とは染料と繊維の結びつきを強固にして湿潤堅牢度を向上させる薬剤のことです
水溶性染料で染色された濃色物は洗濯等によって色なきが発生しやすくなってしまうため、フィックス処理を行うことで染料を水に溶けにくくする必要があります
直接染料、反応染料、酸性染料等で染色したものに使用される場合が多いです

【十分なソーピング】
ソーピングとは生地の洗い加工のことをいいます
染色後や捺染後に界面活性剤や酵素、還元剤、酸化剤等を使用して洗うことで未染着染料を除去することができます
ソーピングが不十分であると未染着染料が繊維表面に残留したままになってしまい、それが色なきの原因となります
ただソーピングすれば良いという訳でなく、十分なソーピングで余分な染料をしっかりと洗い流すことが大切です

【適切な取り扱い】
衣類を適切に取り扱うことで色なき発生の可能性を低下させることができます
例えば「雨に濡れたまま放置しない」「洗濯後は時間を空けずに素早く乾燥させる」「高温多湿化で保管しない」等の方法があります
色なきは湿潤状態で発生するものですので、水分が多い状態をできるだけ短くすることが対策になります
もちろん元々湿潤堅牢度が悪いものは気を付けていても色なきしてしまう可能性が高いですが、しっかりと対策された製品であれば使用側が正しく取り扱うことで更に色なき発生の可能性を下げられるといえるでしょう

     

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色なきの確認方法は大丸法が一般的

色なき試験

・大丸法

色なきを確認する方法にはJISに定められている試験方法がありません

その代わりに「大丸法」という方法で色なきを確認するのが一般的となっています

この方法では毛細管現象による液体の移動に伴って生じる色なき等の発生を評価します

具体的には非イオン界面活性剤0.05%溶液に長方形試験片の下端20mmを浸漬し、2時間放置して色が滲み出しているかを確認します

生活行動の中で生じる消費者苦情事故の再現および未然防止に有効であると評価され、色なき試験方法としてはこの方法が一般的に用いられています

ちなみにこの方法は大丸百貨店が考案した色なき確認方法ということで「大丸法」といわれています

     

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まとめ

まとめ

・色なきとは湿潤状態で色が滲み出してしまうこと
・「湿潤堅牢度不良」「未染着染料残存」「取扱保管方法」が原因となりやすい
・「フィックス剤使用」「十分なソーピング」「適切な取扱」が対策方法
・大丸法で試験されるのが一般的

今回は色なきについて解説してきました

色なきとは染色あるいは捺染(プリント)された濃色部分から未染色あるいは淡色部分に色が滲み出してしまう現象のことをいいます
特に湿潤状態で発生する場合を指し、染料が水や溶剤によって溶けだすことでそれらと一緒に滲み出してしまいます

色なきの原因としては「湿潤堅牢度不良」「未染着染料残存」「取扱保管方法」等が挙げられます

色なきの対策としては「フィックス剤使用」「十分なソーピング」「適切な取扱」等が挙げられます

色なき試験としては大丸百貨店が考案した「大丸法」で確認されるのが一般的とされています

色なきは製品そのものの不良の場合もあれば、使用する人の誤った取扱によって起こってしまう場合もあることがお分かりいただけたかと思います

以前に比べると色なきが発生する製品はかなり少なくなってきているとは思いますが、それでもどの製品も色なきしないかというと必ずしもそうではありません

生産側の不具合で湿潤堅牢度の悪い製品が生産されてしまう可能性もありますし、保管時の複合的な条件下で色なきしてしまう可能性もあります

ぜひこの記事をご覧いただいたことを機会に色なきを知っていただき、生産側と使用側どちらともが意識していただければと思います

ではまた!

     

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