熱可塑性とは?熱可塑性繊維の種類、熱硬化性との違いについて解説

熱可塑性繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・熱可塑性ってなに?
・熱可塑性繊維にはどんな繊維があるの?
・熱可塑性と熱硬化性の違いは?

どもどもTにぃです

「熱可塑性(ねつかそせい)」という言葉をご存知でしょうか?

正直こんな「可塑性」という難しい漢字を普段はなかなか使うことはありませんよね

熱可塑性とは簡単にいうと「熱によって溶けて冷えると固まる性質」のことです

この熱可塑性は私達が普段使用しているプラスチック製品や金属製品を作る上で利用されている性質です

もちろん繊維製品にも利用されており、繊維を作る際、糸を作る際、生地を加工する際、製品を加工する際などあらゆる場面で熱可塑性を利用した加工がされています

また似たような言葉で思われがちな「熱硬化性」という言葉がありますが、実はこれは熱可塑性とは反対の性質を表す言葉なのです

今回はそんな熱可塑性について解説していこうと思います

この記事を読むことで、熱可塑性とは、熱可塑性繊維の種類、熱可塑性を利用した加工、熱可塑性と熱硬化性の違いについてお分かりいただけ、熱可塑性についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

  

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熱可塑性とは?

熱可塑性
熱可塑性

・加熱によって軟化し冷却によって固化する性質
・加熱による軟化、冷却による固化は何度でも発現
・紡糸、熱接着、射出成形などに利用

熱可塑性とは加熱すると軟化あるいは溶融し、冷却すると元の個体に戻る性質のことです
簡単にいうと温めると溶けて、冷えると固まるということですね
チョコレートのようなものと思ってもらうとイメージしやすく理解しやすいかと思います

熱可塑性は何度でも発現する性質であり、一度溶かして冷え固めたものであっても、再加熱することでまた溶かすことができ、更に冷やすことで再度固めることができます
熱可塑性は可逆性であり、何度も「溶ける」「固まる」をループすることができるということです

熱可塑性はあらゆるところで利用されており、長繊維を作る紡糸方法の1つである「溶融紡糸」はこの熱可塑性を利用した紡糸方法です
溶融紡糸に関しては下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

  
またアイロンで付けるワッペンなどにも使用されている熱接着剤や射出成形加工にも熱可塑性の樹脂が使用されています

熱可塑性を持った材料は私達の生活に関わるあらゆるものに利用されています

  

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熱可塑性繊維

熱可塑性繊維
熱可塑性繊維の例

・合成繊維(一部除く)
・金属繊維
・ガラス繊維      など

熱可塑性繊維の例としては合成繊維が挙げられます
合成繊維といってもポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど多くは熱可塑性繊維です
ただし一部は加熱温度を上げることによって溶融する前に分解してしまうものもありすべてが熱可塑性繊維であるわけではありません

合成繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

   
また金属繊維も熱可塑性繊維であるといえます
溶かした金属を型に流し込んで金属製品を作る工程をテレビなどで見たことがある人は多いと思います
あの製造方法を「鋳造(ちゅうぞう)」と呼び、まさしく鋳造は熱可塑性を利用した方法です
金属繊維に関しては解説した記事がありますので、ぜひ合わせてご覧ください

さらにガラス繊維も熱可塑性繊維であるといえます
ガラス繊維の紡糸は溶融紡糸である場合が多く、熱可塑性であるが故の紡糸方法です
ガラス繊維に関しては解説した記事がありますので、ぜひ合わせてご覧ください

一方で天然繊維や、再生繊維などは熱によって溶融するのではなく分解、燃焼してしまいますので熱可塑性繊維ではありません

  

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熱可塑性を利用した加工

プリーツ
熱可塑性を利用した加工例

・加工糸
・プリーツ加工
・熱セット    など

繊維、糸、生地、繊維製品の熱可塑性を利用した加工方法には様々なものがあります

【加工糸】
合成繊維の長繊維は紡糸直後は繊維が真っ直ぐな状態であり、そのまま撚りをかけて糸にしてもボリューム感が少なく細い糸ができてしまいます
そのため糸にボリューム感を与えるために、一度撚りをかけた状態で加熱してから撚りを解くことで半永久的なクセが付きボリューム感のある糸を作ることができます
このクセをつけるということは熱可塑性繊維にしかできないことなのです
加工糸に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

   
【プリーツ加工】
プリーツ加工とは折り目を付ける加工のことです
スカートのひだやズボンの折り目を付ける場合に施される加工です
この折り目を付けるということも熱可塑性を利用した加工です

【熱セット】
熱セットとは熱を加えることで寸法を安定させることです
熱セットした際の温度を超える熱がかかるとセット性は失われますが、それより低い場合であれば熱をかけても寸法に影響することは少なくなります

  

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熱可塑性と熱硬化性の違い

熱可塑性 熱硬化性
熱可塑性と熱硬化性

熱可塑性=加熱で軟化、冷却で固化
熱硬化性=加熱で硬化し不可逆

熱可塑性となんとなく似たような意味で思われがちな言葉で「熱硬化性」という言葉がありますが、実はこれらは全く逆を意味する言葉なのです

熱硬化性とは熱などの作用によって硬化反応を起こし固まってしまう性質のことです
この熱硬化性は基本的には不可逆であり、再度熱をかけたり冷やしたりしても元に戻ることはありません

一度硬化したものは力学的にも化学的にも強い硬化物となるものが多く、熱だけでなく溶剤や薬品でも溶解溶融できない場合が多いです

熱硬化性のあるものは繊維として利用されることはあまりなく、主に成形品や補強材に使用される場合が多いです

  

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まとめ

まとめ

・熱可塑性とは加熱で軟化、冷却で固化する性質
・合成繊維の多く、金属繊維、ガラス繊維などが熱可塑性繊維
・加工糸、プリーツ加工、熱セットなどに熱可塑性を利用
・熱硬化性は加熱によって硬化することで不可逆

今回は熱可塑性について解説してきました

熱可塑性とは加熱すると軟化あるいは溶融し、冷却すると元の個体に戻る性質のことです

熱可塑性繊維としては、ポリエステルやナイロンなどの多くの合成繊維、金属繊維、ガラス繊維などが挙げられます
一方でアクリル、ビニロン、天然繊維、再生繊維などは熱可塑性繊維ではありません

熱可塑性はを利用して加工糸、プリーツ加工、熱セットなどが行われます

熱硬化性とは加熱によって硬化する性質で、不可逆であり熱可塑性とは対の性質となります

熱可塑性は繊維製品に見た目、風合い、機能性などを付与するには必要不可欠な性質です
私達が知らないところでこの熱可塑性という性質は多く利用されており、私達はその熱可塑性の恩恵を受けて生活しているといっても過言ではありません
なかなか難しい言葉で理解し難いものではありますが、熱可塑性という性質があって、これが私達の生活に役立っていると覚えていただければと思います

今後も一緒に勉強していきましょうね

ではまた!

  

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