合成繊維とは?合成繊維の種類と特徴について解説

合成繊維 合成繊維とは 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような方にオススメ!

・合成繊維とは?
・合成繊維ってどんな種類があるの?
・合成繊維の特徴は?

どもどもTにぃです

みなさん合成繊維はご存じでしょうか?
恐らく多くの方は合成繊維という言葉を一度は聞いたことがあると思います

合成繊維とは原料を化学的な処理によって合成することでつくられる繊維のことです

化学繊維と合成繊維の違いがイマイチ分からないという方もいらっしゃるかもしれませんね
化学繊維は繊維を大きく2つに分けたときの種類であり、化学処理によって人工的に作られる繊維の種類のことです
その化学繊維も作り方や性質などによって種類分けをすることができ、合成繊維は化学繊維の中の一種類です

ただし化学繊維の一種類といえど、合成繊維は全繊維の中で最も生産量と消費量が多い繊維群なのです
そして合成繊維はとても種類が多く、それぞれ特徴が異なるため幅広い用途で使用されています

今回はそんな合成繊維について解説していこうと思います
この記事を読むことで合成繊維とは、その種類と特徴についてお分かりいただけると思います

ぜひ最後までご覧ください

  

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合成繊維とは?

合成繊維

・原料を化学的処理によって合成して作られる繊維
・ポリエステル、ナイロン、アクリルが三大合成繊維
・原材料は石油、石炭などの化石燃料が大半
・環境配慮型として一部植物由来のものもある

合成繊維とは化学的な処理によって原材料を合成することでつくられる繊維のことで化学繊維の一種です
「合繊」と略称で呼ばれる場合もあります
合成繊維は繊維の中で最も多く生産、使用されている繊維群であり、特に化学繊維と言えば合成繊維が代表例と言っても過言ではないでしょう
化学繊維に関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

ちなみに合成繊維の中で最も生産量が多いのがポリエステルです
その次にナイロンが多く、3番目にアクリルという順番となっています
2017年のデータではアクリルが170万t、ナイロンが560万tに対してポリエステルはなんと5380万tと圧倒的な生産量を誇っています

合成繊維の原材料としては石油や石炭などの化石燃料が大半です
化石燃料はいずれ枯渇することが予測されているものですので、このままでいくと合成繊維はいずれ生産できなくなってしまう状況がやってしまうのです
また合成繊維は基本的に生分解性があるわけではないものがほとんどですので、一部を除いて土に還ることはありません
そのため廃棄の際には燃焼される場合がほとんどですが、この燃やすことによって地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に排出されるとして危惧されています

そのような環境問題への対策や限りある資源を大切にしていく取り組みとして植物から採取できる原料からつくられる合成繊維が開発されてきています
原料の一部を植物由来とするポリエステルやトウモロコシのでんぷんを主原料として作られるポリ乳酸繊維などがその例です
生産から廃棄までの環境負荷を軽減できると考えられているこれらの合成繊維は、今後ますます進化していくことでより実用的になり普及していくと思われます

  

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合成繊維の特徴

合成繊維の特徴

・強度、耐摩耗性、耐水性、耐薬品性、防かび性などに優れる
・吸湿性、帯電防止性、染色性などでは劣る
・リサイクルして循環させることが可能

合成繊維は天然繊維に比べて強度が高い繊維が多いことが特徴として挙げられます
引っ張ったときの強さや引き裂いたときの強さ、擦れなどの摩耗に対する強さがあります
天然繊維でもロープなどの資材に使用されるものも一部ありますが、特に高強度を謳いたい場合には合成繊維から選ばれる場合が多いです

また物理的に強度だけではなく、耐水性や耐薬品性、防かび性などがもあり耐久性が高い繊維が多いとも言えます

一方、吸湿性や吸水性に関しては天然繊維と比べると合成繊維では劣るものが多く、特にポリエステルは吸水性がほとんどないことで有名です
また合成繊維では染色性の悪いものもあり、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロンなどは染まりにくいです

昨今話題となっているSDGsの流れから、合成繊維のリサイクルが活発となっています
特にポリエステルとナイロンでリサイクルされる場合が多く、リサイクル技術も日々進歩しています
製品を再利用したり(リユース)、廃棄量を減らしたり(リデュース)は大抵どの繊維でもできますが、再資源化(リサイクル)できる繊維はあまりありません
再資源化して新しいものへと生まれ変わっていき循環させることができるということは合成繊維の大きな特徴の一つと言えるでしょう
リサイクルに関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

  

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合成繊維の種類

合成繊維の種類

・ポリエステル系=ポリエステル、ポリ乳酸
・ポリアミド系=ナイロン、アラミド
・ポリアクリロニトリル系=アクリル、アクリル系
・ポリビニルアルコール系=ビニロン
・ポリ塩化ビニル系=ポリ塩化ビニル
・ポリ塩化ビニリデン系=ビニリデン
・ポリオレフィン系=ポリエチレン、ポリプロピレン
・ポリウレタン系=ポリウレタン
・ポリフルオロエチレン系=ポリテトラフルオロエチレン

ポリエステルやナイロンなど、合成繊維に分類される繊維は非常に多くのあります
それぞれ解説していきます

     

ポリエステル

全繊維の中で最も生産量が多い繊維
強度や耐熱性、耐薬品性などの基本的な特性が優れ、衣料、インテリア、産業資材などあらゆる分野で幅広く使用されている
ポリエステルに関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

ポリ乳酸(PLA)

トウモロコシやサトウキビのでんぷんを原料として作られる合成繊維
別名トウモロコシ繊維
生分解性があるプラスチックとして近年注目を集めいている
ポリ乳酸繊維に関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

ナイロン

世界初の合成繊維で合成繊維では2番目の生産量
粘り強さや耐摩耗性に優れた特性を持つ
衣料だけでなくカーペットやエアバッグ、鞄、釣り糸など幅広く使用される
ナイロン6とナイロン66の2種類がある
ナイロンに関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

アラミド

強度に優れるパラ系アラミド繊維と耐熱性や難燃性に優れるメタ系アラミド繊維がある
パラ系アラミド繊維は防弾チョッキや防刃服、メタ系アラミド繊維は消防服などそれぞれの特性を最大限活かすことができるアイテムに使用される
アラミドに関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

アクリル、モダクリル

代替ウールとして開発された合成繊維
合成繊維としては3番目の生産量
主成分であるポリアクリロニトリルを85%以上含んだものがアクリル、85%未満のものがモダクリルと表示される
アクリルに関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

ビニロン

ポリビニルアルコール(PVA)を原料として作られる合成繊維
国産技術によって世界で初めて工業化された繊維
合成繊維では珍しく親水性であり、水に溶ける種類もある
主に産業資材用途で使用される
ビニロンに関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

ポリ塩化ビニル(PVC)

塩ビと言う方が分かり易いかもしれませんね
繊維としてはあまり見かけることはなく、フィルムや成型上の樹脂として利用されることが多い
繊維としては毛布、カーテン、カーペットなどの家庭用品や漁網、フィルター、ロープなどの産業資材などに利用される場合がある

     

ビニリデン

難燃性、耐水性、耐候性に優れ比重が重いところが特徴の繊維
人工芝、漁網、水産用ロープなどに使用される

     

ポリエチレン

ポリエチレンは繊維よりもフィルム、包装資材、成型用樹脂として利用されることが多いです
プラスチックとしては国内生産量が最も多い
繊維としては漁網、ロープ、スポーツ用の防球ネット、落石防止ネット、防虫網などに使用される
耐熱性が低く、染色性も悪いため衣料には使用しにくく繊維としては用途が限られる
ポリエチレンに関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

ポリプロピレン

ポリエチレンもプラスチック容器などでの使用が多い
プラスチックとしては国内生産量第2位
繊維の中では最も軽く、唯一水に浮く繊維とされる
ポリプロピレンに関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

ポリウレタン

高い伸縮性と回復性が特徴の繊維
インナー、ゴム部分などの伸縮性が必要とされる部分にはよく使用される
優れものではあるが塩素、紫外線、かびなど弱点も多いところが欠点
ポリウレタンに関しては下の記事も合わせてご覧ください

  

ポリテトラフルオロエチレン

分子構造中にフッ素を含むためフッ素系ともいわれる
耐熱性、耐薬品性に優れ、低摩擦性、低粘着性、撥水性、防汚性が特徴の繊維
バグフィルター、電線被覆などに利用される

  

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まとめ

まとめ

・合成繊維とは原料を化学的処理によって合成してつくられる繊維
・全繊維の中で生産量、使用量が圧倒的に多い
・生産から廃棄までの環境負荷が多いので、近年では環境配慮型のものも開発されている
・強度や耐久性に優れるものが多いが、吸水性や染色性が悪いものも多い
・ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ビニロン、ポリ乳酸など種類が多い

今回は合成繊維について解説してきました

合成繊維は性能にも優れ、生産性も良いことから衣料だけでなくインテリアや産業資材まで幅広い用途で使用される繊維です
加工性も良く取り扱いも簡単なものが多いので人気なのも納得です

その一方で生産から廃棄までの環境負荷が懸念される場合が多く、資源に限りがあることを考えるとその原材料を使用しないものや原材料の代替品開発が急務となります
そこで植物由来原料からつくられるものや生分解性のあるものなどが続々と開発されており、リサイクルも含めて環境配慮型のものが多く出てきています
環境配慮型に関しては持続的な世界にするためには必要不可欠なものですし、これからまだまだ伸びしろがある部分ですので今後もまだまだ新しいものは出てくるでしょう

これからの新たな情報にも要チェックです

ではまた!

  

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