マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サーマルリサイクルの違いとは

繊維製品お取り扱い方法

どもどもTにぃです

SDGsへの関心が高まると共にリサイクル製品への注目も一層高まっています
アパレル製品でもリサイクルで作られた生地を使用した衣類やバッグなど多くのアイテムが市中に出回るようになりました

そんなリサイクルですが実は3つの方法があることをご存知でしょうか?
それらは
・マテリアルリサイクル
・ケミカルリサイクル
・サーマルリサイクル

という方法でそれぞれ特徴が異なるリサイクル方法なのです

なかなか聞き慣れない言葉だと思いますがリサイクルを知る上で必要な情報だと思いますのでぜひ覚えておいていただければと思います
今回は比較的身近なポリエステルを例にして説明していきますがリサイクルできるのはポリエステルだけではありませんのでその点はご注意ください

この記事を読むことで分かること

・マテリアルリサイクルとは
・ケミカルリサイクルとは
・サーマルリサイクルとは

ぜひ最後までご覧ください

 

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マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクル

・物質はそのままで原料として再利用
・比較的簡素な工程
・比較的安価だが品位が不安定になる場合も

マテリアルリサイクルとは原料として再利用するリサイクルのことです
これだけではさっぱり分かりませんよね
イメージとしては物質はそのままで形状を変えて再利用するというものです

例を挙げて説明します
ポリエステルの説明記事でペットボトルからポリエステル衣類にリサイクルすることが可能と説明しました

これはペットボトルもポリエステルの糸もポリエチレンテレフタレート(PET)という同じものからできているからです
つまりペットボトルとポリエステルの糸は形が違うだけで同じ物質ということなのです

ペットボトルからポリエステル衣類になるには次のような工程を経て形が変わっていきます

マテリアルリサイクル 図

マテリアルリサイクルの工程はそこまで複雑ではなく比較的安価にできます
なので現在のペットボトルのリサイクルはこのマテリアルリサイクルの場合が多いです

ただしもとのペットボトルの品質の影響を受けやすく品質の悪いペットボトルからは品質の悪い糸ができてしまいます
またリサイクルを繰り返すと不純物が混ざりやすく純度が下がってしまうなどのデメリットもあります

 

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ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクル

・化学処理によって分解し原料として再利用
・複雑なリサイクル工程
・高品質で安定しやすいが比較的高価となる傾向

ケミカルリサイクルとは化学的に分解して再度原料として利用するリサイクル方法です
マテリアルリサイクルと比較しやすいようにこちらもペットボトルから衣類へのリサイクルを例にすると下図のようになります

ケミカルリサイクル 図

マテリアルリサイクルと比べて化学的に分解する工程が多いことがお分かりいただけると思います
ただしこれはかなり簡略化して図にしたもので実際には分解するまでにはかなり多くの手間がかかることになります

その結果としてマテリアルリサイクルに比べてコストが高くなってしまう場合が多いです
なのでペットボトルのリサイクルはコストの関係でマテリアルリサイクルが選ばれることが多いですね

しかしケミカルリサイクルで作られるものは一度化学的に分解していることからバージンの品質に近い高品質な製品にすることが可能となります

これは私の経験になりますがマテリアルリサイクルで作られた糸とケミカルリサイクルで作られた糸とで強度などの物性を比較したことがあります
結果としてはケミカルリサイクルの糸のほうがバージンの糸に近い品質という結果でした
もちろんマテリアルリサイクルの糸がダメという意味ではなく結果の数値で判断するとそのような結果だったということです

ケミカルリサイクルは高コスト高品質なリサイクル方法という認識で良いでしょう

 

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サーマルリサイクル

サーマルリサイクル

・発電時のエネルギーとして再利用
・廃棄物は循環せず消費されて終える
・世界的にはリサイクルに分類されない場合が多い

サーマルリサイクルとは廃棄物を燃やす際に発生する熱や蒸気を発電時のエネルギーとして再利用するリサイクル方法です
例えば廃棄衣料を焼却してそのときの熱で発電するという場合ですね

実はこのサーマルリサイクルは日本特有のリサイクル方法と言われています
それはなぜかというと循環していないからです
そもそもリサイクルとは廃棄物をゴミにせず次の製品を生み出す原料として利用することで生まれ変わって循環させることという考えです

サーマルリサイクルでは再利用はされています
でもエネルギーとして再利用されたあとは生まれ変わっているわけではありません
この部分が元々のリサイクルの考えと異なるとして海外ではサーマルリサイクルをリサイクルと認めていない国も多いんです
そのような国はリサイクルではなくエネルギー回収という認識なんだそうです

この部分は解釈の違いなのでどちらかが正しくてどちらかが間違っているというわけではないと思います
ただ日本ではサーマルリサイクルはリサイクルの一種として認識されていますので廃棄衣料がエネルギーへとリサイクルされる
これも立派なリサイクルだということですね

 

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まとめ

まとめ

・マテリアルリサイクルは物質はそのままで形を変えて再利用する
・ケミカルリサイクルは一度化学的に分解して原料として再利用する
・サーマルリサイクルは廃棄物の燃焼時の熱や蒸気を発電エネルギーとして再利用する

今回は3つのリサイクル方法についてお話してきました

一言でリサイクルといっても様々な方法があることを今回はお分かりいただけたと思います
廃棄物の種類や状態によってどのようにリサイクルされるかが変わります
なので廃棄するときにはきちんと分別して廃棄することが大切になります

「分ければ資源、混ぜればゴミ」
エコの第一歩はゴミの分別からはじまると言っても過言ではありませんね

ではまた!

 

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