加水分解とは?加水分解の仕組みや加水分解の軽減方法について解説

加水分解繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・加水分解ってなに?
・加水分解はどうやって起こるの?
・加水分解を防ぐ方法は?

どもどもTにぃです

「加水分解」という言葉をご存じでしょうか?

加水分解とはその名の通りで水が加わることで分解してしまうことです

この加水分解は特にポリウレタン製品の劣化の原因としてよく起こる反応です

ポリウレタンについては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください


ポリウレタンは繊維やコーティング樹脂など、繊維製品に幅広く使用されている材料です

そのため加水分解と聞いてピンとこない人にとっても、加水分解の影響を受けることがあるため非常に関係のあることなのです

ということで今回はそんな加水分解について解説していこうと思います

この記事を読むことで、加水分解とは、加水分解はどのようにして起こるのか、加水分解の進行を軽減する方法などをお分かりいただけ、加水分解についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

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加水分解とは?

加水分解 とは ?
加水分解

・水分が加わって分解する化学反応
・エステル結合、アミド結合が加水分解されやすい
・温度、酸、アルカリなどの影響で促進される

加水分解とは水分が加わることで元の物質が分解してしまう化学反応のことです

水分が何でもかんでも分解してしまうという訳ではなく、分子構造内にもつ結合部分を分解する結果、物質がバラバラになってしまうというイメージです

ポリエステル繊維は分子構造内にエステル結合を持つもの、ポリアミド繊維は分子構造内にアミド結合を持つものです

ポリエステル繊維、アミド繊維については下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

このエステル結合やアミド結合部分が水分によって分解されたしまい、物質がバラバラになってしまうことを加水分解といいます

加水分解を図でイメージすると下にような図になります

このようにして結合が切られてしまいバラバラになってしまうことが、結果として製品の劣化につながるということなのです

少し難しいですが、加水分解しやすいとされるポリウレタンの加水分解は下の図のようになります

ポリウレタンは分子構造内にエステル結合を持つものがあり、この部分が加水分解されることによって劣化につながります

同じエステル結合でもポリエステルに比べてポリウレタンのエステル結合は加水分解されやすく、そのためポリウレタンは劣化しやすいとされています

また加水分解は酸やアルカリ、水温の影響で促進されやすくなります

そのため通常では比較的加水分解しにくいポリエステルであっても、アルカリ溶液を使用したりや高温状態にすることで加水分解してしまいます

あえてこのような状態にすることで意図的に加水分解させて新たな風合いを付与する加工方法がありますので後ほど紹介します

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加水分解を軽減する方法

加水分解を軽減する方法

・製品を清潔に保つ
・撥水スプレーで水分から守る
・風通しを良くし低湿度で保管
・乾燥材を使用  など

加水分解が製品の劣化につながってしまうことを説明しました

特にポリウレタン製品は加水分解による劣化がしやすく、加水分解の進行を遅くするために使用方法や取り扱い方法に注意が必要です

加水分解を軽減する方法として意識していただくと良い点を挙げますので、参考にしていただければと思います

【製品を清潔に保つ】
ポリウレタン製品を使用した後に汚れがついていたり濡れていたりする場合には、使用直後にきれいにしておくことが大切です
付着した汚れが水分を吸収したりしてそこから加水分解が進行してしまう可能性があるためです
汚れなどは都度きれいに落とすように意識しましょう

【撥水スプレーで水分から守る】
撥水スプレーは水をはじく性質を製品に付与します
このことによって水分と結びつきにくくなり、加水分解を起こしにくくすることが期待できます
撥水に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください


【風通しを良くし低湿度で保管】
製品を保管する際に気をつけたい点は湿度です
保管場所の湿度が高いとその分空気中に水分が多くなり、その水分によって加水分解が進行してしまいます
保管の際には風通しがよく湿気がたまりにくい環境にするのが良いでしょう

【乾燥材を使用】
長期保管時には乾燥材を使用することも加水分解対策としては有効です
クローゼットやタンス用の乾燥材を使用したり、小物であればシリカゲルなどの乾燥剤を入れて袋の中で保管するという方法もあります
また乾燥剤機能付き保存袋もありますので、そちらを検討するのも良いかもしれませんね

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加水分解を応用した加工

加水分解 応用 方法 減量加工
加水分解を応用した加工

・ポリエステル減量加工
・ジーンズ酵素洗い加工  など

製品の劣化を引き起こす加水分解は特にポリウレタンを使用した製品にとって非常に厄介なものです

しかしそんな厄介ものの加水分解を応用し、新たな風合いを出す加工方法として利用しているものがあります

代表例としてポリエステルの減量加工、ジーンズの酵素洗い加工などが挙げられます

これら2つを簡単に解説します

【ポリエステルの減量加工】
ポリエステル繊維のエステル結合をアルカリにより加水分解する加工
繊維表面を薄く削り取り繊維を細くすることで風合いを柔軟にしドレープ性を付与する

【ジーンズの酵素洗い加工】
セルロース分解酵素であるセルラーゼを使用するジーンズのバイオウォッシュ加工
ジーンズの風合いを柔軟にする効果がある
セルラーゼはセルロース内のグリコシド結合を加水分解するはたらきがある

加水分解は悪いことばかりではなく、上手に応用して活用される場面もあるということですね

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まとめ

まとめ

・加水分解は水分が加わって分解する化学反応
・加水分解によって結合部分が分解され製品の劣化につながる
・加水分解対策は水分対策が肝心
・原料加工など加水分解を応用した加工法もある

今回は加水分解について解説していきました

加水分解とは水分が加わることで元の物質が分解してしまう化学反応のことです

加水分解によって分子構造中のエステル結合やアミド結合部分が水分によって分解されてしまい、結果として製品の劣化につながってしまいます

加水分解対策としては「製品を清潔に保つ」「撥水スプレー使用」「低湿度で保管」「乾燥材を使用」などの方法があり、いずれにしても水分対策が肝心となります

そんな加水分解ですが、ポリエステルの原料加工やジーンズのバイオウォッシュ加工など新たな風合いを付与する加工として応用されています

「ゴム部分が伸びてしまった」「ソファーの表面がひび割れてボロボロになった」など加水分解による製品の劣化は多くの人にとって厄介なものです

しかしその名の通りで水分が加わることで分解してしまうのであれば、水分を遠ざけることによって加水分解の進行を遅くすることができます

加水分解をまったくさせないことは難しいと思いますが、進行を少しでも遅らせて長く愛用していけると良いなと思います

加水分解は多くの人に関係のある現象ですので、ぜひ加水分解について理解を深めていただき正しい対策をしていただきたいと思います

ではまた!

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