親水性、疎水性とは?親水性繊維、疎水性繊維の種類について解説

親水性 疎水性 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・親水性ってなに?
・疎水性ってなに?
・親水性繊維、疎水性繊維にはどんな繊維があるの?

どもどもTにぃです

みなさん「親水性」「疎水性」という言葉をご存じでしょうか?

このブログ内でも親水性や疎水性という言葉を何度も使用しており、ニュアンスで理解はしていただけているとは思いますが実はちゃんと説明したことは無いと思います

簡単にいうと親水性とは水になじみやすいことで疎水性とは水になじみにくいことです

そして水になじみやすい繊維を親水性繊維、水になじみにくい繊維を疎水性繊維といいます

ではどの繊維が親水性繊維であり、どの繊維が疎水性繊維であるかはご存じでしょうか?

このブログをいつもご覧になっている人はご存じかもしれませんが、しっかりと理解している人はそう多くは無いと思います

今回は親水性と親水性繊維、疎水性と疎水性繊維について解説していこうと思います

この記事をご覧いただくことで、親水性と疎水性についてお分かりいただけ、親水性繊維と疎水性繊維についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

  

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親水性

親水性とは?

親水性

・水になじみやすい性質
・吸湿性と吸水性がある
・毛細管現象による吸水性付与は親水性ではない

親水性とは水との親和性が良く、水になじみやすい性質のことです

親水性には「吸湿性」と「吸水性」の2つの意味があります

吸湿性は気体の水分を吸収する性質のことで、吸水性は液体の水分を吸収する性質のことです

分子中で親水性を示す基を親水基といい、有機化合物分子中ではスルホン酸基(-SO3-)、硫酸エステル基(-OSO3-)、アンモニウム基(-NH4-)などは親水性が高く、その他にもヒドロキシ基(-OH)、アミノ基(-NH2)なども親水性を示します

実は疎水性繊維でも繊維の形態や織編組織の工夫によって毛細管現象による吸水性を付与することができます

この例として吸水速乾ポリエステルなどが挙げられます

これは一見吸水性があるため親水性と思われるかもしれませんが、繊維そのものは疎水性繊維ですので、吸水性繊維には含まれません

  

親水性繊維

親水性繊維

・天然繊維
・再生繊維
・半合成繊維  など

親水性繊維として天然繊維全般が挙げられます

天然繊維については下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

綿、麻などのセルロース繊維はヒドロキシ基を多く含むので親水性に富みます

羊毛、絹などの動物繊維はヒドロキシ基だけでなく、アミノ基、カルボキシ基なども多く含むため、セルロース繊維よりもさらに親水性が高いとされています

また化学繊維ではレーヨン、キュプラ、リヨセルなどの再生繊維やアセテートなどの半合成繊維もセルロース繊維であるため親水性繊維となります

再生繊維半合成繊維に関しても別の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

  

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疎水性

疎水性とは?

疎水性

・水になじみにくい性質
・親油性である場合が多い
・撥水も疎水性に含まれる

疎水性とは水との親和性が低く、水ににじみにくい性質のことです

繊維において疎水性を簡単にいうと水分を吸わないということです

先ほどの親水性とは逆で、吸湿性が無い、吸水性が無いということになります

フェニル基、アルキル基などの炭化水素基は典型的な疎水基とされています

基本的には疎水性のものは水になじみにくい代わりに油になじみやすく、親油性である場合が多いです

一部例外として、シリコンやフッ素などは水にも油にもなじみにくい性質を持ちます

また水をはじく効果のある撥水も性質としては疎水性に含まれます

撥水に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

  

疎水性繊維

疎水性繊維

・ポリエステル
・ポリエチレン
・ポリプロピレン  など

疎水性繊維の代表例としてはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられます

この3種の繊維の共通点は合成繊維という点です

つまり疎水性繊維は合成繊維に多いということになります

ただし合成繊維といってもビニロンやナイロンのように水溶性であったり吸湿性があるものもあるため、合成繊維全てが疎水性というわけではありませんので注意が必要です

合成繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

  

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まとめ

まとめ

・親水性は水になじみやすい性質
・天然繊維、再生繊維、半合成繊維などが親水性繊維
・疎水性は水になじみにくい性質
・疎水性繊維は合成繊維に多い

今回は親水性、疎水性について解説してきました

親水性とは水になじみやすい性質のことで吸湿性、吸水性があるということです

親水性繊維の例としては天然繊維全般と化学繊維では再生繊維と半合成繊維などが挙げられます

疎水性とは水になじみにくい性質のことで吸湿性、吸水性がないということです

疎水性繊維の例としてはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられ、合成繊維に多いとされます

これまでは何となくニュアンスで伝わっていたかもしれませんが、今回の記事で親水性、疎水性についてしっかりと説明させていただきました

親水性、疎水性は繊維製品としては非常に重要な要素となってくるものです

肌着なのに疎水性のため汗を吸わない、レインウエアなのに親水性のため水を吸ってしまうのでは快適に使用できませんよね

アイテム、用途に応じて親水性、疎水性の特徴を使い分けていく必要がありますので、企画する人はどれが親水性繊維か疎水性繊維か理解しなければいけません

そして繊維製品を使用する人も繊維の特徴を理解することで、よりご自身が求める性能に近いアイテムを選ぶことができるようになるかもしれません

繊維の勉強は大切ですね

これからも一緒に勉強していきましょう

ではまた!

  

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