どもどもTにぃです
みなさん「フィブリル化」という現象をご存知でしょうか?
フィブリル化はなかなか聞き慣れない言葉かもしれませんが、繊維製品の苦情につながりやすい現象としては有名なものの1つに挙げられます
フィブリル化とは繊維が軸方向に裂けて細分化してしまう現象です
一見「それの何が問題なの?」と感じてしまうような現象ですが、実は見た目に大きく影響してしまう現象なのです
このフィブリル化は消費者の取り扱い方法によって起こってしまう可能性がある現象ですので、繊維業界の人だけでなく消費者の人も知っておく必要がある現象だと私は思っています
ということで今回はフィブリル化について解説していこうと思います
この記事を読むことでフィブリル化とは、その原因と対策についてお分かりいただけることで、繊維製品のフィブリル化を防ぐ正しい知識が身につくと思います
ぜひ最後までご覧ください
フィブリル化とは
フィブリル化とは摩擦や圧力などによって、繊維が軸方向に裂けて細分化してしまう現象のことです
繊維は細い繊維状物質であるフィブリルが固まった集合体で構成されています
このフィブリル同士の結合が破壊されててフィブリル単体となってしまうのがフィブリル化です
フィブリル化は特に湿潤状態で摩擦された場合に生じやすいとされています
そのため繊維製品の使用方法や洗濯方法などによってフィブリル化が生じる場合が多いのです
間違った取り扱い方法によって発生してしまう場合があるため、フィブリル化に対する正しい知識を得る必要がありますね
フィブリル化しやすい繊維
フィブリル化は表面構造が緻密でかたい繊維で発生しやすいとされています
例として天然繊維では絹や麻、化学繊維ではリヨセルやキュプラなどが挙げられます
これらの繊維を使用した製品を取り扱う場合にはフィブリル化に注意したほうが良いでしょう
絹、麻、リヨセル、キュプラに関してはそれぞれ解説している記事がありますので、ぜひ合わせてご覧ください
フィブリル化による影響
フィブリル化による影響は基本的には悪い影響を取り上げられる場合が多いです
その代表例として白化が挙げられます
繊維がフィブリル化しささくれ立つ状態となることで光の反射具合が変わってしまい、結果としてその部分だけが白っぽく見えてしまいます
特に濃色アイテムではフィブリル化していない部分としている部分の見え方の差が大きく、明らかにフィブリル化している部分が白く見えてしまいます
これがフィブリル化が製品の外観に与える影響の1つです
一方でフィブリル化を新たな風合いを生み出す方法として活用しているものもあります
それがリヨセルです
フィブリル化によって繊維が細分化されることで、ナノファイバーのような状態を作り出すことができます
ナノファイバーに関しては下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください
ナノファイバーのように繊維1本1本が細くなることで柔らかく手に吸い付くような風合いになるのです
あえてリヨセルをフィブリル化させることで、このような新たな風合いを持ったリヨセル素材を生み出すことが可能となっています
フィブリル化の原理を逆手にとってプラスへと転じさせてすばらしい例ですね
フィブリル化の対策
フィブリル化は製品の誤った取り扱い方法によって発生してしまいます
そのためフィブリル化しやすい繊維を使用した製品の取り扱いには十分注意する必要があります
フィブリル化の対策例をご紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います
【取り扱い絵表示を守る】
まずは基本中の基本ですが、取り扱い絵表示をしっかり確認しそれを守ることが大切です
製品は事前に検証されており、洗濯すると製品に影響が出ることが確認された場合に洗濯不可の表示としています
どのような取扱表示も影響があると判断されたためその表示をしているので、やはりその表示は守るべきだと思います
【こすらずに優しく叩いて汚れを落とす】
製品に汚れが付着した場合に、タオルなどで擦って汚れを落とすことがあると思います
この擦るという行為がフィブリル化を起こす原因となる場合があるので注意が必要です
汚れが付着した場合には、こすらずにタオルで優しく叩いたり押し当てたりして落とすようにしましょう
【他製品との摩擦に注意する】
フィブリル化は摩擦によって発生してしまいます
よって洗濯時だけでなく、使用しているときにも注意が必要です
例えばリヨセルの衣類を着用時にショルダーバッグを担ぐことによって衣類との間に摩擦が生じてしまう可能性があります
他の製品と組み合わせる際の摩擦にも注意が必要となるでしょう
まとめ
今回はフィブリル化について解説してきました
フィブリル化とは繊維が軸方向に裂けて細分化してしまう現象のことです
繊維を構成するフィブリル同士の結合が摩擦などによって破壊されて細分化してしまいます
天然繊維では絹や麻、化学繊維ではリヨセルやキュプラのような表面が緻密でかたい繊維で発生しやすいとされています
フィブリル化によってその部分だけ色が白っぽくなる白化現象が有名な影響ですが、繊維が細分化されることを利用して柔らかくしなやかな風合いを生み出す加工方法へと利用される場合もあります
フィブリル化対策としては、取り扱い絵表示をしっかり守り、また付着した汚れを落とす際や製品を使用する際には摩擦しないように心がけることが必要です
製品の取り扱い方1つでフィブリル化してしまうかどうかが決まる場合もあります
そのためフィブリル化に対する正しい知識を持つことが非常に重要です
知っていれば正しい取り扱いができ、その結果製品を長く愛用していくことが可能となります
逆に知らなければあっという間に製品をダメにしてしまう可能性もあります
フィブリル化はあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、繊維製品を扱う上で非常に重要な現象の1つですので、ぜひこの機会に覚えておいていただければと思います
ではまた!
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