再生繊維とは?再生繊維の特徴や種類について解説

再生繊維 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような方にオススメ!

・再生繊維ってなに?
・再生繊維の特徴は?
・再生にはどんな種類があるの?

どもどもTにぃです

みなさん再生繊維って聞いたことありますか?

再生繊維と聞くとリサイクルして作られた繊維が最初に思い浮かぶ方もいらっしゃると思います
残念ながら今回の再生繊維はリサイクル繊維のことではありません

再生繊維とは化学繊維の一種で、原材料を一度溶かしてその後原材料と同じ化学構造を持つ繊維の状態へと再生させて作られる繊維のことです
化学繊維に関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

  

再生繊維は化学繊維でありながら原材料が天然由来のものであるため石油などの化石燃料を使用しないという点や生分解性があり環境に優しいという点で昨今のサスティナブルの観点から改めて注目されている繊維です

今回はそんな再生繊維について解説していこうと思います
この記事を読むことで再生繊維とは、その種類と特徴にについてお分かりいただけ、再生繊維についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

  

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再生繊維とは

再生繊維

・原材料を溶液化した後に元の原材料と同じ化学構造の物質へと再生して作られる繊維
・レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルなど
・リサイクルの再生とは異なる

再生繊維とは糸にできないような短い繊維や木材の繊維質などの原材料を溶液化した後にノズルから押し出すことで元の原材料と同じ化学構造を有する繊維へと再生したもののことです
要するに繊維として使えない状態の原材料を一度溶かして加工しやすくしてから再度繊維にしているということです
なので原材料の成分がセルロースであれば再生して作られる繊維もセルロースの繊維となります
再生繊維は最初と最後では形が違うだけで中身は同じという認識で大丈夫です

再生繊維はその原材料や作り方の違いで、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルの4種類の繊維に分けられます

ちなみに再生というと昨今話題のリサイクルを思い浮かべる方も多いかと思います
このリサイクルして作られる繊維は厳密にいうと今回の再生繊維には含まれません
リサイクルは再資源化という意味ですので、一度使用したものを原料化して再度利用することです
再生繊維の再生とは意味がことなる再生です
リサイクルしたポリエステルやナイロンは再生繊維ではなくもともとの分類の合成繊維のままです
リサイクルを再生繊維に分類することは捉え方しだいでは間違いではないですが、現状通説としてはリサイクルは再生繊維ではありませんのでご注意ください

捉え方しだいな部分もありますので、今後分類は変わっていくかもしれませんね

  

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再生繊維の特徴

再生繊維の特徴

・原材料はセルロースで天然由来
・生分解性がある
・光沢に富み吸放湿性があり静電気が起きにくい

再生繊維の原材料は植物繊維の成分であるセルロースが主体です
レーヨン、ポリノジック、リヨセルは木材パルプ、キュプラはコットンリンター(種子周りの産毛)から抽出されるセルロースからできる繊維です

溶液化する際に化学処理をしますし分類としても化学繊維に分類されますが、出来上がる繊維はセルロースの繊維です
これは綿や麻などの植物繊維と同様であり、これらは生分解性を有し条件が整えば土に還るものです
生分解性繊維に関しては下の記事も合わせてご覧ください

     
再生繊維は全体として光沢がありその美しい見た目が特徴です
また吸放湿性があり吸水性もあるため静電気が起きにくいといえます
なので特にキュプラやレーヨンは少し高めのジャケットやコートなどの裏地として活用されています

  

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再生繊維の種類

再生繊維の種類

・レーヨン(ビスコースレーヨン)
・ポリノジック
・キュプラ(キュプラアンモニウムレーヨン)
・リヨセル

再生繊維に分類される繊維として「レーヨン」「ポリノジック」「キュプラ」「リヨセル」があります
それぞれ解説しいていきます

     

レーヨン(ビスコースレーヨン)

木材パルプを原料とした再生繊維の一種
ビスコース法という製法で作られるためビスコースレーヨンとも言う
独特のシルキーな光沢と染色性の良さ、柔らかくドレープ性があるのが特徴
一方、強度が低く特に水に濡れた状態では強度が半分近くにまで低下してしまうため洗濯によって縮みやすく、しわになりやすい
レーヨンに関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

  

ポリノジック

レーヨンの強度向上、濡れたときの強度低下や収縮を抑えることを目的として開発されたのがポリのジックです
レーヨンの欠点を補う一方でコストアップがネックとなりそこまで多くは生産されていないようです

   

キュプラ(キュプラアンモニウムレーヨン)

キュプラは綿花を採取した後の綿実の表面に密生している短い繊維であるコットンリンターを原料として作られる再生繊維です
銅アンモニアを使用して作られることからキュプラアンモニウムレーヨンや銅アンモニアレーヨンと呼ばれる場合もあります
柔らかな風合いとドレープ性、吸湿性、保湿性、清涼感、染色性の良さが特徴
キュプラに関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

  

リヨセル

リヨセルはユーカリから採取される木材パルプを原料として作られる再生繊維のことです
リヨセルは製造工程で化学変成を経ないでセルロースを直接溶解して作られるため製造工程がエコであると言えます
また同じ木材パルプを原料としているレーヨンと比較して引っ張り強さが大きく、特に水に濡れたときの強度の低下が少なく、洗濯時の収縮も小さいとされるのが特徴です
一方、繊維が細かく避けてしまうフィブリル化という現象が起こりやすく、また色抜けしやすいところが欠点と言えます
リヨセルに関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

  

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まとめ

まとめ

・原材料を溶液化した後に元の原材料と同じ化学構造の物質へと再生して作られる繊維
・天然由来の化学繊維、生分解性、美しい光沢や吸放湿性が特長
・レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルなどがある

今回は再生繊維について解説してきました

レーヨンはレディースの洋服などでもよく使用されますし、吸湿発熱効果があることから発熱インナーなんかでも使用されている繊維です
見た目の美しさだけではなく、実は機能性もあって便利な繊維ですね

化学繊維でもセルロースという天然由来の原料のものがあり、環境に優しいという部分は意外だったのではないでしょうか?
再生繊維は木材や綿花の捨てる部分を原材料としているため、もともと自然界に存在するものを使用しており、その原材料を人の手で増やしていくことも可能です
また生分解性もあり環境が整えば土に還るということで廃棄問題にも寄与することができるので、まさに再生繊維はエコな繊維と言えると思います

耐洗濯性の懸念点もあり単体で使用されることは少ないかもしれませんが、技術の進歩によってより改良されてより実用的になっていくといいなと思います

ではまた!

  

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