どもどもTにぃです
みなさん無機繊維って聞いたことありますか?
無機繊維とは無機物質の繊維のことですが、一般衣類に使用されることはほとんどなくなかなか聞き馴染みのない名前だと思います
衣類には向かないかもしれませんが、実は産業資材としては非常に有能な繊維でその分野では幅広く活躍している繊維なんです
無機繊維にもいくつか種類があり、みなさんもきっと一度は聞いたことがある繊維がそこに含まれています
今回はそんな無機繊維について解説していこうと思います
この記事を読むことで無機繊維とは、その種類と特徴に関してお分かりいただけ、無機繊維に対する理解が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
無機繊維とは?
無機繊維とは化学繊維の一種で繊維状の無機物質の総称のことです
「そもそも無機物質ってなに?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますので、簡単に無機物質について説明します
無機物質とは一般的には化学構造上に炭素(C)を含まない物質のことをいいます
しかしそれでは当てはまらない場合もあったりしますので正確には炭化水素(C○H○)を含まないものというほうが合っていると思います
例えば、植物繊維の主成分であるセルロースの分子式は(C6H10O5)nです
これは炭化水素を含んでいるので無機物質ではなく有機物質という扱いになります
一方ガラスは二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)などからなるもので炭化水素は含まれません
よって無機物質という扱いとなり、そのガラスを繊維状にしたガラス繊維は無機繊維ということになります
ちなみに世の中に存在する物質は有機物質と無機物質のどちらかに分類されます
無機繊維にはガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維などの種類があります
これらはすべて人工的につくられる無機物質ですが、実は天然繊維の中にも無機物質が存在します
それが石綿(アスベスト)です
石綿の化学式は(Mg,Fe)3Si2O5(OH)4であり炭化水素を含まなない無機物質です
ただ無機物質は化学繊維の種類として扱われる場合があり、そのような場合では天然繊維である石綿は無機繊維に分類されないことがあります
天然繊維として扱われる場合は無機繊維ではなく鉱物繊維として分類される場合が多いと思います
よって石綿は鉱物繊維に分類されることが多いと思われます
無機繊維の特徴
無機繊維の特徴としては強度が高いことが挙げられます
高強度繊維として有名なパラ系アラミド繊維は強度が2.4〜3.4GPaとされています
一方、無機繊維の一種であるガラス繊維は3.5〜4.6GPaとパラ系アラミド繊維を上回る数値となっています
強度が著しく高い繊維のことをスーパー繊維と読んだりしますが、無機繊維の多くはそのスーパー繊維に含まれます
スーパー繊維に関しては下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください
また耐熱性があることも無機繊維の特徴の一つです
高機能有機合成繊維であっても融点は高くて600℃程度ですが、無機繊維の一種であるセラミック繊維は融点が2000℃以上と600℃に対して3倍以上高い温度でも耐えられます
それらに加えて耐久性も高く劣化しにくいことから無機繊維は産業資材分野で強度が必要であったり耐熱性が必要となる部分に使用される場合が多いです
一般衣類には向かない繊維ではありますが、他の繊維にはない強靭な部分を活かす分野で活躍している繊維ですね
無機繊維の種類
無機繊維繊維に分類される繊維にとして「ガラス繊維」「炭素繊維」「セラミック繊維」「金属繊維」などがあります
それぞれ解説していきます
ガラス繊維
ガラスを引き伸ばして繊維状にしたもの
シリカ、アルミナ、酸化カルシウム、アルカリ金属化合物、酸化ホウ素などからなる
耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などに優れる
断熱材やプラスチック・ゴム・コンクリートなどの強化材として建築材料などに幅広く使用される
ガラス繊維については下の記事も合わせてご覧ください
炭素繊維
アクリルやピッチの長繊維を焼成してつくられる大部分が炭素原子からなる構造にした繊維
アクリルを使用するものをPAN系、ピッチを使用するものをピッチ系として分けられる
軽量で硬度と強度があり優れた寸法安定性と耐熱性、耐薬品性を有し熱や電気ををよく伝える
航空機の構造材、ゴルフシャフト、釣り竿、コンクリートなどの補強材などに使用される
炭素繊維については下の記事も合わせてご覧ください
セラミック繊維
非金属系無機材料から高温の熱処理を経て製造される無機繊維
強度、弾性率、硬度、耐熱性などに優れる
強化剤や耐熱性断熱材などに使用される
セラミック繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
金属繊維
金属を引き伸ばし、溶融紡糸、切削などによってつくられる繊維
電気および熱の伝導性、強度。耐熱性などに優れる
ワイヤーや電線などに使用される
ステンレス繊維やタングステン繊維が例
金属繊維については下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください
まとめ
今回は無機繊維に関して解説してきました
普段なかなか耳にすることがない無機繊維ですが、航空機、建造物、電線など実は私達がよく目にする部分で使用されている繊維なのです
私たちの生活を支えてくれていると思うと、無機繊維にもっとスポットライトが当たっても良いと思いますよね
繊維の用途は衣類だけでなく、私たちが生活する上で必要なものに幅広くあります
今後も衣類だけでなくいろいろなところに使用されている繊維とその製品について解説していこうと思います
一緒に勉強していきましょうね
ではまた!
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