スーパー繊維とは?スーパー繊維の種類について解説

スーパー繊維 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような方にオススメ!

・スーパー繊維ってなに?
・スーパー繊維にはどのような種類があるの?
・スーパー繊維の性能を知りたい

どもどもTにぃです

近年注目を集めるスーパー繊維
スーパー繊維とはその名の通りスーパーにすごい繊維のことですw
主に産業資材用途で幅広く利用されており、私達の生活はこのスーパー繊維によって支えられていると言っても過言ではありません

ところでスーパー繊維とは何がスーパーなのかご存知でしょうか?
またスーパー繊維の特徴やどのような繊維がそれに分類されるか知っていますか?

繊維と言えば衣類に使用されるようなポリエステルや綿などが身近だと思います
しかし繊維はとても種類が多く、衣類には使用しないがそれ以外の用途で活躍しているものも多くあります
その代表例がスーパー繊維なのです

今回はそんなスーパー繊維について解説していこうと思います
この記事を読むことでスーパー繊維とは何か、スーパー繊維にはどのような繊維があるのか、スーパー繊維の性能についてお分かりいただけると思います

ぜひ最後までご覧ください

  

スポンサーリンク

スーパー繊維とは

スーパー繊維

・引張強さや引張弾性率が著しく大きい繊維
・引張強さ2GPa以上、引張弾性率50GPa以上
・高機能繊維とは別

スーパー繊維とはポリエステルやナイロン、綿のような衣類に使用される汎用の繊維に比べ引張強さや引張弾性率が著しく大きい繊維のことを言います
簡単に説明すると「とても強度が高くて変形もしにくい繊維」と言うことです
別の呼び方で「高強度・高弾性率繊維」とも言われる場合があります

ではどれくらい強度のある繊維なのかと言うと、明確な定義はありませんが一般的に引張強度が約2GPa以上、引張弾性率で約50GPa以上とされています
Tシャツなどでよく使用される綿は引張強度が約0.5GPaとされています
よってあくまで目安ですが、スーパー繊維は最低でも綿の4倍以上の強さを持つ繊維ということができます
Tシャツを引っ張ると簡単に破れるということが無いように、綿自体もそんなに弱い繊維ではありません
しかしその綿の4倍以上の強さを持つとなるとかなりの強度があることがお分かりいただけると思います

一方、強度や弾性率は通常のレベルであるが、耐熱性や難燃性などに優れた繊維があります
これらは先程の基準には当てはまらないのでスーパー繊維には分類されません
このような優れた機能を有するが強度は並程度の繊維は高機能繊維と言われます
スーパー繊維と高機能繊維は全く別の分類となりますのでご注意ください

「スーパー繊維は強度」「高機能繊維は機能性」という分類ですね

  

スポンサーリンク

スーパー繊維の種類

スーパー繊維の種類

・パラ系アラミド繊維
・ポリアリレート繊維
・PBO繊維
・超高強力ポリエチレン繊維
・炭素繊維
・ガラス繊維
・金属繊維
・セラミック繊維

スーパー繊維に分類される繊維は多数あります
それぞれ解説していきます

     

パラ系アラミド繊維

アラミド繊維の一種で高強度、高弾性率が特徴の繊維
防弾チョッキや光ケーブルの補強材などに使用される
アラミド繊維については下の記事で解説していますので合わせてご覧ください

   

ポリアリレート繊維

ポリエステル系ポリマーを原料とする繊維
高強度、低吸水性、耐摩耗性に優れた特徴を持つ

PBO繊維

ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の略
有機繊維の中ではトップクラスの高強度、高弾性率を誇る
一方で摩擦に弱く、光に曝されると強度が低下する
PBO繊維に関しては下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください

  

超高強力ポリエチレン

通常のポリエチレンの3倍〜10倍程の超高分子量ポリエチレンからつくられる繊維
超高分子量ポリエチレン繊維、高強度ポリエチレン繊維、高強力ポリエチレン繊維とも言われる
PBO繊維と並んで有機繊維の中では抜群の強度を示す
ポリエチレン繊維に関しては下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください

  

炭素繊維

アクリルやレーヨンの長繊維あるいはピッチを紡糸した長繊維を焼成し、大部分が炭素原子からなる構造にした繊維
軽量、高強度、導電性が特徴
炭素繊維に関しては下の記事で解説していますので合わせてご覧ください

  

ガラス繊維

ガラスを引き伸ばして繊維状にしたもの
シリカ、アルミナ、酸化カルシウム、アルカリ金属化合物、酸化ホウ素などからなる
耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などに優れる
ガラス繊維に関しては下の記事で解説していますので合わせてご覧ください

  

金属繊維

金属を引き伸ばし、溶融紡糸、切削などによってつくられる繊維
電気および熱の伝導性、強度。耐熱性などに優れる
金属繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

  

セラミック繊維

非金属系無機材料から高温の熱処理を経て製造される無機繊維
強度、弾性率、硬度、耐熱性などに優れる
セラミック繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

  

スポンサーリンク

スーパー繊維の性能

スーパー繊維それぞれの引張強度、引張弾性率、その他特徴は以下の通りです

 引張強度  引張弾性率       その他特徴
パラ系アラミド繊維2.4〜3.455〜145耐衝撃性
ポリアリレート繊維2.8〜4.050〜120振動減衰性
PBO繊維5.8180〜270耐衝撃性、耐摩擦性
超高強力ポリエチレン2.2〜4.770〜125低比重、耐摩耗性、耐衝撃性、耐候性
炭素繊維2.0〜6.455〜935導電性
ガラス繊維4.7〜5.674〜84耐熱性、耐光性、耐薬品性
金属繊維2.4180導電性、耐熱性
セラミック繊維2.0〜3.6160〜420耐熱性

  

スポンサーリンク

まとめ

まとめ

・スーパー繊維とは強度と弾性率が大きい繊維のこと
・主に産業資材用途で使われるものが多い
・アラミド繊維、PBO繊維、炭素繊維、ガラス繊維など

今回はスーパー繊維について解説してきました

スーパー繊維とは引張強度、引張弾性率が著しく大きいという、まさしくスーパーな繊維でしたね

スーパー繊維は衣類に使用されることはあまりありませんが、産業資材用途として私達の生活に密接に関わるところで活躍している繊維です
なかなか名前を聞くことは無いかもしれませんが、これを機に覚えておいていただければと思います

おそらくスーパー繊維のような強度に優れた繊維はこれからも新しいものがどんどん開発されていくと思います
それによって今までは不可能であったことが可能となり、私達の生活がより豊かで便利なものになっていくと思います
そういう意味では繊維の可能性は無限大で繊維の力はとても大きいものだと思っています

今後も新たなスーパー繊維の誕生に注目していきましょう

ではまた!

  

コメント