難燃繊維とは?難燃繊維の種類、難燃性の基準について解説

繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・難燃繊維ってなに?
・何で燃えにくいの?
・難燃繊維の種類は?

どもどもTにぃです

みなさん「難燃繊維」という繊維をご存じでしょうか?

難燃繊維とはその名の通りで燃えにくい繊維のことです

綿などの天然繊維が燃えやすいというのは何となく想像がつくと思いますが、実はポリエステルなどの化学繊維であっても燃えるものは多いんです
繊維は衣類やインテリアなど私たちの身の回りの多くの製品に使用されており、その中には火がついて燃え広がってしまうと大きな事故につながるものもあります

衣類では消防士などが使用する防火服は特に燃え広がることを抑えたい製品だと思います
インテリアでは特にカーテンなどがその代表例かと思われます

そんな燃え広がってほしくない製品に使用されるのが難燃繊維です
難燃繊維には多くの種類があり、また繊維単体で燃え広がりにくくする方法にもいくつか種類があるのです

今回はそんな難燃繊維について解説していこうと思います

この記事を読むことで、難燃繊維とは、燃えにくい理由、難燃繊維の種類についてお分かりいただけ、難燃繊維についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

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難燃繊維とは?

難燃繊維

・燃えにくい繊維のこと
・LOI値26以上が基準
・自己消火性があり燃え広がりにくい
・燃えない訳ではない

難燃繊維とはその名の通りで燃えにくい繊維のことです

この燃えにくさを示す数値として「LOI値(ろいち)」というものがあります
LOIとは「Limiting Oxygen Index」の略であり、燃え続けるのに必要な最少酸素量を表した数値です
少ない酸素でも燃え続けられるということは燃えやすいということで、逆に燃え続けるのに多くの酸素が必要ということは燃えにくいことになります
つまりLOI値は高い方が燃えにくいことを表すということになります
そして難燃繊維にはこのLOI値が26以上という基準があります

ちなみに身近な繊維でいくと綿は18程度、ポリエステルは20程度、羊毛は24程度のLOI値となっており、難燃繊維ではないことがお分かりいただけると思います
ちなみに羊毛のLOI値が高いのは水分を多く含み、さらに窒素も含むためとされています

難燃繊維は一旦火がついたとしても燃え続けるのに大量の酸素が必要となるため、しだいに酸素の供給か追いつかなくなっていきます
つまり自己消化性があり燃え広がりにくいということです

難燃繊維は名前の通りで燃えにくいという特性はありますが、全く燃えないという訳ではありません
全く燃えない特性のことを「不燃性」といい、不燃性を持つ繊維も存在します
不燃性を持つ繊維としては炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維が挙げられます
無機繊維については下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

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何で燃えにくいの?

難燃性の理由

①ハロゲン系化合物
②りん系化合物
③繊維高分子の高耐熱化

難燃性を有する理由は大きく3つに分けることができます

少し専門的になってしまいますが、それぞれを簡単に解説していきます

【①ハロゲン系化合物を含有】
塩素やフッ素を含むハロゲン系化合物を繊維に含有させることで難燃性を得ることができます
燃焼による熱分解でハロゲン系の不燃焼ガスが発生し、酸素濃度を薄めることで燃え広がることを妨げる効果があります

【②りん系化合物を含有】
材料の炭化を促進する触媒として、りん系化合物を繊維に含有させる方法もあります
熱分解によってりんが発生し、りんの作用によって繊維から水素の酸素を奪い炭化させ、その炭化物が繊維を覆います
またりん自体も空気を通さない物質へと変化し繊維表面を覆うため、それ以上燃え広がりにくくなります

【③繊維高分子の高耐熱化による熱分解の抑制】
分子同士の結びつきが非常に強い繊維は燃えにくいとされています
芳香族系の剛直性の高い高分子で、分子同士が強く凝集し合ったものや、華僑結合でネットワークを形成したものは熱分解が生じにくく、可燃性ガスの発生が抑えられるため燃え広がりにくいとされます

燃えにくい理由にもいくつかあるということを覚えておくと良いと思います

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難燃繊維の種類は?

難燃繊維の種類

①モダクリル、PVC、フッ素繊維など
②難燃ポリエステルなど
③アラミド、PBO、ポリイミドなど

難燃繊維に含まれる繊維は数多く存在します

先ほど解説した難燃性の理由別に難燃繊維の一部をピックアップして紹介していきます

【①ハロゲン系化合物を含む難燃繊維】
ハロゲン系化合物を含む難燃繊維としてはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、モダクリル、フッ素繊維が挙げられます
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンは塩素を含み、モダクリルはポリ塩化ビニルを含みます
塩素、フッ素などの不燃性ガスを発生させるハロゲン元素を含むため燃えにくいとされます
それぞれのLOI値はポリ塩化ビニル36程度、ポリ塩化ビニリデン46程度、モダクリル29程度、フッ素繊維95程度となっています

【②りん系化合物を含む難燃繊維】
りん系化合物を含む難燃繊維としては難燃ポリエステルなどが挙げられます
通常のポリエステルはLOI値が20程度であるため難燃性があるとはいえません
しかしりんを含有させることでLOI値が29程度となり難燃ポリエステルとなります
難燃ポリエステルは通常のポリエステル同様に汎用性が高く、難燃性を付与したい多くの繊維製品に使用されています

【繊維高分子の高耐熱化による難燃繊維】
繊維高分子の高耐熱化による難燃繊維としてはアラミド、PBO、ポリアリレート、ポリイミドなどが挙げられます
それぞれのLOI値はパラ系アラミドが29程度、メタ系アラミドが31程度、PBOが68程度、ポリアリレートが28程度、ポリイミドが40程度とされています
この中でパラ系アラミド、PBO、ポリアリレートは高強力高弾性率が特徴のスーパー繊維に含まれており、分子の結びつきの強さが難燃性だけでなく強度とも関係していることが窺えます

ただしスーパー繊維=難燃繊維ではないためご注意を!


スーパー繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

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まとめ

まとめ

・難燃繊維とはLOI値が26以上の燃えにくい繊維のこと
・難燃性にはハロゲン元素、りん、高分子の高耐熱化などの理由がある
・難燃繊維にはモダクリル、難燃PET、スーパー繊維などがある

今回は難燃繊維について解説してきました

難燃繊維とはその名の通り燃えにくい繊維のことで、自己消化性があり燃え広がりにくい特徴があります

燃えにくさを示すLOI値が26以上が難燃繊維の基準とされています

難燃性の理由としてはハロゲン系化合物を含む、りんを含む、分子同士の結びつきが極めて強いことによる高耐熱化などがあります

難燃繊維にはモダクリル、ポリ塩化ビニル、難燃ポリエステル、アラミド、PBO、ポリアリレートなどが挙げられます

難燃性に関しては難燃繊維のように繊維自体が難燃性を持っている場合と、後加工によって薬剤を塗布することで難燃性を付与する場合があります

難燃性の基準が厳しい場合には両方ともを使用して高い難燃性を持たせることもあります

様々なシーンで使われる繊維製品であるからこそ、燃え広がってはいけない使用シーンもあるため、その際に今回のような難燃繊維が大切な役割を果たします

繊維を燃えにくくする、燃え広がりにくくする工夫をすることによって私たちの生活に安心安全をもたらしてくれているということを頭の片隅に置いていただければと思います

ではまた!

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