どもどもTにぃです
「撚糸(ねんし)」という言葉をご存じでしょうか?
撚糸とは糸を撚ること、そして撚った糸のことです
「なぜ糸を撚る必要があるの?」と思われる人もいるかもしれませんが、糸を撚ることで強度や風合いなど様々な点で効果があり、その糸を使用しやすくする上で必要なことなのです
また撚糸には撚り方や撚る回数によっていくつかの種類があり、用途に応じて使い分ける必要があります
撚糸はただ糸を撚るだけという単純なものではなく非常に奥が深いものなのです
今回はそんな撚糸について解説していこうと思います
この記事を読むことで撚糸とは、撚糸の種類や糸を撚ることで得られる効果についてお分かりいただけ、撚糸に関する知識が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
撚糸とは?
撚糸とは糸や繊維束を撚ってねじりを加えること、そして撚ってねじりを加えた糸のことです
糸や繊維束を集束させて撚ることで糸に強度を持たせたり、撚ることで糸をまとめて操作性を良くする手段として最も多く用いられます
その他にも撚ることで糸の太さ、柔らかさ、触感などにも影響があり、その糸からつくられる生地の風合いや表面特性に効果を与えるためにも利用されます
撚糸は短繊維糸では必要なものであり、長繊維糸では撚糸をする場合もあればしない場合もあります
ちなみに撚糸をしていない糸をのことを無撚糸と呼びます
短繊維と長繊維については下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
糸を撚ることで得られる効果
糸は十分に撚りがかけられると引張強さに対して強さを示すようになります
これは撚糸を引張ることで糸の中心に向かう力が発生し、繊維同士の間に摩擦力が生じるため、引張りに対して抵抗を示すことになるからです
また撚りをかけていくほど繊維間の隙間が少なくなっていき糸が締まっていくため、見かけの太さも細くなっていきます
そして糸が締まることによって糸自体が硬くもなっていくため風合いにも影響があります
その他にも繊維間の空気が減ることで保温性が低くなったり、光沢に影響したりなど糸を撚ることで良くも悪くも様々な点に影響します
撚りは糸の性質を支配する重要な性質となります
撚糸の種類
撚糸には撚り方や撚る回数によって以下のように分類することができます
撚り方向
撚りをかける方向で撚糸の分類ができます
撚りをかけるときに下端を固定し上端を時計回りに回転させるとS撚り糸となります
逆に反時計回りに回転させるとZ撚り糸になります
一般的に長繊維糸はS撚りが、短繊維糸はZ撚りが多いとされています
撚り回数
撚りをかける回数でも分類することができます
標準的な糸の強さとなる撚りの回数で撚られた糸を並撚り糸といいます
並撚り糸よりも少ない撚りの糸を甘撚り糸、逆に多い撚りの糸を強撚糸といいます
ちなみに撚り回数を増やすほど糸の強度の上がっていきますが、一定の撚り数で強度のピークを迎え、それ以降は撚り回数を増やすほど強度が低下していきます
その強度のピークを迎えている状態を飽和撚りといいます
撚り構造
撚りの構造によっても分類することができます
フィラメント糸を引き揃え、SまたはZに加撚した糸を片撚り糸や単糸といいます
引き揃えるときに2本の糸を使用する2本片撚り、3本の糸を使用する3本片撚りなどがあります
片撚り糸や紡績糸単糸を引き揃えて加撚したものを諸撚り糸といいます
こちらも2本の糸を使用した2本諸撚り、3本の糸を使用した3本諸撚りなどがあります
2本諸撚り糸のことを双糸や二子糸といったりもします
その他にも異種の糸を撚り合わせた交撚糸や装飾効果を持たせた意匠撚糸などもあります
交撚に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
まとめ
今回は撚糸について解説してきました
撚糸とは糸や繊維束を撚ってねじりを加えること、そして撚ってねじりを加えた糸のことをいいます
糸に撚りをかけることで繊維同士の隙間が少なくなり摩擦抵抗が発生します
これにより強度が上がる、細くなる、硬くなるなどの効果が現れます
撚糸には様々な種類があり、それらは撚り方向、撚り回数、撚り構造の違いで分類されます
撚り方向ではS撚り糸とZ撚り糸、撚り回数では甘撚り糸と並撚り糸と強撚糸、撚り構造では片撚り糸と諸撚り糸と交撚糸と意匠撚糸と種類が豊富です
撚りをかけることにより糸への影響は非常に大きく、糸の強度、風合い、見た目などの性質を大きく変えてしまうものです
そしてそれはそこからつくられる生地の性質にも大きく関わってきます
つまり生地の性質を決めるものとして撚糸は非常に大きな要因となるということです
撚糸はただねじるだけという単純なものではなく奥が深い分野ということですね
撚糸に関してまだまだ説明できていない部分も多くありますので、機会があればその部分も今後解説していこうと思います
そのときまでに私もしっかり撚糸について勉強し直しておきます
ではまた!
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