どもどもTにぃです
あらゆる繊維製品に使用されている「綿繊維」
Tシャツ、デニムなどのカジュアルウエアから制服やシャツなどのビジネスウエア、またタオルやガーゼなど衣類以外のアイテムも含めて綿繊維は幅広く使用されています
そんな綿繊維ですが、汎用的な綿繊維から高級綿繊維までいくつか種類があるのをご存じでしょうか?
お手頃なシャツに使用されている綿繊維と高級シャツに使用されている綿繊維では、使用している綿が異なるかもしれないのです
今回はそんな綿繊維について解説していこうと思います
この記事を読むことで、綿繊維の種類や特徴をお分かりいただけ、綿繊維についての理解が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
綿とは
綿はアオイ科ワタ属の亜熱帯性植物から採取される植物繊維のことです
植物繊維に関しては下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください
綿花の種子の表面細胞の一部が成長して繊維状になった種子毛が綿繊維です
種子毛には長い繊維状リントと短い産毛のようなリンターがあり、リントは綿繊維として利用され、リンターは再生繊維であるキュプラの原料として利用されます
キュプラに関してはこちらの記事で解説していますので、合わせてご覧ください
綿繊維の太さは10~20μm程度で、長さは20mm以下の短いものから50mm以上の長いものまで存在し種類によって異なります
この長さによって綿の価格が異なり、長くなるほど価格は上がる傾向にあります
繊維の形状は扁平で断面には中空(空洞)部分がある形状となっています
また不規則なねじれがあり、このねじれがあることで繊維が絡まりやすく紡績しやすくなります
紡績に関しては下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください
綿はあらゆるアイテムに利用されている繊維であり、全繊維の中ではポリエステルに次ぐ2番目の使用量の多さで、天然繊維では最も使用されている繊維です
これだけ大量に使用され製品として私たちも多く活用しているため、最も身近な繊維の1つと言えるのではないでしょうか
綿繊維の特徴
綿繊維の特徴としては吸水性に優れることが挙げられます
着用時の汗を迅速に吸収し、また吸収した水分は容易に蒸発発散されます
蒸発にともなって熱が奪われる気化熱が発生し、着用感が涼しく、夏用の衣服材料として適していますね
また断面が中空となっているため、空気を多く含み、軽量で保温性に優れる特徴もあります
乾燥時の強度もそれなりにありますが、綿の素晴らしいところは濡れた時でも強度が落ちないところです
濡れても強度が落ちないどころか、むしろ強度が上がり、このような特徴を持つ繊維は数少ないです
なので耐洗濯性にも優れており、衣服に適した繊維と言えるでしょう
繰り返し使用し、繰り返し洗濯するようなアイテムに綿が使用されるのも納得ですね
綿の種類
綿はアオイ科ワタ属に属する植物であり、そのうち繊維をつくるのは旧大陸系品種の「アルボレウム」「ヘルバケウム」、新大陸品種の「ヒルスツム」「バルバデンセ」の4種類です
アルボレウムは古くから中国や朝鮮半島で栽培され、江戸時代には国内でも栽培されていました
繊維長は21mm以下と短く、弾力性があり布団の中わたとして利用されています
一方で機械紡績には適しておらず、衣類にはあまり利用されません
ヘルバケウムはあまり商用栽培はされておらず、出回ることはあまり無いようです
繊維の特徴としてはアルボレウムと似ています
ヒルスツムはアメリカで品種改良されアップランド綿の名前で世界に広まりました
繊維長は30mm程度で中級面の代表品種となっています
世界で栽培される綿花の約90%がヒルスツムと言われています
バルバデンセは最も繊維長が長く、海島綿では50mmに達するものもあります
一般には40mm程度の長さがあり、細い糸を紡績するのに適しています
海島綿、エジプト綿、スーダン綿などの各地で栽培されている超長綿と呼ばれる高級綿は全てこの品種です
系統 | 綿花品種 | 綿繊維種類 | 繊維の特徴 | 用途 |
旧大陸系 | アルボレウム ヘルバケウム | アジア綿、インドデシ綿、 パキスタンデシ綿 など | 短く太い | 布団中わた、 脱脂綿 など |
新大陸系 | ヒルスツム | 陸上綿(アメリカ綿など) | やや長く細い | 一般衣料 |
新大陸系 | バルバデンセ | 海島綿、エジプト綿、 スーダン綿 など | 長く細い | 高級衣料 |
まとめ
今回は綿について解説してきました
綿はアオイ科ワタ属の亜熱帯性植物から採取される植物繊維のことです
繊維の形状は扁平で断面には中空(空洞)部分がある形状となっています
また不規則なねじれがあり、このねじれがあることで繊維が絡まりやすく紡績しやすくなっています
綿はあらゆるアイテムに利用されている繊維であり、全繊維の中ではポリエステルに次ぐ2番目の使用量の多さで、天然繊維では最も使用されている繊維です
綿の特長としては吸水性と発散性に優れ、夏用衣類の素材として適しています
また中空となっており空気を多く含むため、軽量で保温性があります
そして濡れたときの強度が高く、乾いているときよりも濡れてたときのほうが強度が高くなるのは繊維の中でもかなり珍しいです
綿繊維にはアジア綿、アメリカ綿、海島綿、エジプト綿のように産出国の名前がついた種類があります
これらはアルボレウム、ヘルバケウム、ヒルスツム、バルバデンセとそれぞれ異なる綿花から採取されるものであり、繊維の長さが長い海島綿やエジプト綿は高級綿とされます
一言で綿と言ってもさまざまな種類があるということをお分かりいただけたかと思います
綿は比較的手ごろなアイテムにも使用されてるため、高級衣料に使用されるような高級綿が存在することをご存じなかった人も多いのではないでしょうか
綿は本当に幅広く様々なアイテムに使用されている繊維ですので、私たちの生活には欠かせない繊維の1つだと思います
今回の内容をぜひ頭の片隅にでも置いてもらえればと思います
ではまた!
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