酸性染料とは?酸性染料の種類やそれぞれの特徴について解説

繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・酸性染料とは?
・酸性染料にはどんな種類があるの?
・酸性染料にはどんな特徴があるの?

どもどもTにぃです

みなさん「酸性染料」をご存知でしょうか?

そもそも染料ってなに?という人は染料について解説した記事がありますので、まずはそちらをご覧ください

酸性染料とはその名の通り染液を酸性状態にて染める染料のことです

酸性染料は一般的に羊毛やナイロンの染色に用いられる染料とされています

酸性染料には非常に多くの種類が存在しそれぞれ特徴が異なるものであり、状況に応じて適切なものが使い分けられています

今回はそんな酸性染料について解説していこうと思います

この記事を読むことで、酸性染料とは、その種類やそれぞれの特徴についてお分かりいただけ、酸性染料についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

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酸性染料とは?

酸性染料

・酸性浴で繊維に染着性をもつ染料
・染料イオンがアニオン性を示す
・たんぱく質繊維、ポリアミド繊維に使用
・鮮やかに発色するものが多い
・種類が豊富で特徴はそれぞれ異なる

酸性染料とは酸性浴中で繊維に染着性をもつ染料のことをいいます

分子量は比較的小さく、染料イオンはアニオン性を示します

染料構造中にSO3-基(陰イオン)が存在し、繊維中のNH3+基(陽イオン)とイオン結合して染着します

主に羊毛、絹等のたんぱく質繊維やナイロン等のポリアミド繊維の染色に用いられ、セルロース系繊維にはほとんど染着性がありません

酸性繊維には非常に多くの種類があり、それぞれ異なる特徴を持ちますが、全般的に鮮やかに発色するものが多いとされます

羊毛繊維絹繊維ナイロン繊維セルロース系繊維に関してはそれぞれ解説した記事がありますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください

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酸性染料にはどんな種類があるの?

酸性染料の種類

・たんぱく質繊維用酸性染料
・ポリアミド繊維用酸性染料

酸性染料には「たんぱく質繊維用酸性染料」と「ポリアミド繊維用酸性染料」があり、その中でもさらにいくつかの種類に分かれています

たんぱく質繊維用酸性染料

たんぱく質繊維用酸性染料の種類

・均染型
・ミリング型
・ハーフミリング型

たんぱく質繊維用酸性染料には染料分子構造の違いによって「均染型」「ミリング型」「ハーフミリング型」の3タイプに分類されます

【均染型】
均染型酸性染料は均染性が高く染色の際にムラになりにくいですが湿潤堅牢度が低い特徴があります
また分子量が特に小さいためファンデルワールス力が弱く、移染性も大きいとされます
主に後染め用染料として反染めに用いられます

【ミリング型】
ミリング型酸性染料は湿潤堅牢度が高いですが、均染が得られにくい特徴があります
分子量は大きくファンデルワールス力も比較的強い傾向にあり、移染性も小さいとされます
主に先染め用染料としてトップ染め、ばら毛染め、糸染めに用いられます

【ハーフミリング型】
ハーフミリング型酸性染料は上記2タイプの中間に位置する性質を持ちます
先染めから後染めまで状況に応じてどちらにも用いられる場合があります

先染め、後染めに関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

ポリアミド繊維用酸性染料

ポリアミド繊維用酸性染料の種類

・均染型
・堅牢型

ポリアミド繊維用酸性染料には染料分子構造の違いによって「均染型」「堅牢型」2タイプに分類されます

【均染型】
均染型酸性染料は均染性が高いですが、特に湿潤堅牢度が低い特徴があります
そのため比較的淡色系の染色に用いられる場合が多いとされます
一部の染料ではたんぱく質用酸性染料のミリング型をポリアミド用酸性繊維の均染型として使用する場合もあります

【堅牢型】
堅牢型酸性染料は湿潤堅牢度が高いですが、均染性が低くムラになりやすい特徴があります
その他の堅牢度も比較的良好であるため濃色系の染色にもちいられる場合が多いとされます

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酸性媒染染料と金属錯塩酸性染料

酸性媒染染料と金属錯塩酸性染料

酸性媒染染料:繊維吸着後に金属と錯結合
金属錯塩酸性染料:染料段階で金属錯塩化

上記酸性染料の以外にも「酸性媒染染料」と「金属錯塩酸性染料」があります

酸性媒染染料

酸性染料の中で主にクロム原子と配位結合のできる染料で、繊維に吸着させた後、重クロム酸塩を用いて錯結合を生成、発色させて染色を行う染料を酸性媒染染料といいます

クロム染料と呼ばれる場合もあります

染織物の耐光堅牢度や湿潤堅牢度が良好であり、深みのある濃色が得られやすいため、特に羊毛の濃色染めに用いられることがあります

ただしクロム錯塩形成のために6価クロム化合物を用いることから環境面や安全面の問題があるため、染色後の排水中に残留するクロムの処理が必要となります

また媒染による色調変化のため、色合わせが困難であり熟練が必要となる傾向があります

金属錯塩酸性染料

染料段階で染料分子と金属原子とが錯塩の形で配位結合している酸性染料染料を金属錯塩酸性染料といいます

含金属染料、含金染料と呼ばれる場合もあります

金属1原子に酸性染料1分子が配位結合した「1:1型」、金属1原子に酸性染料2分子が配位結合した「1:2型」があります

1:1型金属錯塩酸性染料はたんぱく質繊維に、1:2型金属錯塩酸性染料はポリアミド繊維の染色に用いられます

金属錯塩酸性染料は酸性媒染染料の長所である耐光堅牢度や湿潤堅牢度の良好さを維持しつつ、短所とされる色合わせの困難性や再現性を改良したものとされています

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まとめ

まとめ

・酸性染料は酸性浴で繊維に染着性をもつ染料
・主にたんぱく質繊維、ポリアミド繊維に使用
・種類が豊富でそれぞれ特徴が異なる

今回は酸性染料について解説してきました

酸性染料とは酸性浴で繊維に染着性をもつアニオン性の染料のことです

主に羊毛や絹等のたんぱく質繊維、ナイロン等のポリアミド繊維の染色に用いられます

酸性染料には非常に多くの種類があり、それぞれ特徴も異なります

たんぱく質繊維用酸性染料には均染性が良好な「均染型」、湿潤堅牢度が良好な「ミリング型」、その中間に位置する「ハーフミリング型」があります

ポリアミド繊維用酸性染料には均染性が良好な「均染型」、湿潤堅牢度が良好な「堅牢型」があります

またそれら以外にも、濃色が得られやすく各種堅牢度に優れる「酸性媒染染料」、酸性媒染染料の特長に加えて色合わせの困難性や再現性を改良した「金属錯塩酸性染料」があります

酸性染料には非常に多くの種類があるため全て覚えるのはなかなか難しいですよね

なのでとりあえずは酸性染料全般についてある程度覚えておくだけで十分だと私は思います

興味を持ち始めれば自ずとより深く勉強するようになると思いますので、「酸性染料は羊毛とナイロンを染める染料」程度をしっかりと覚えておきましょう

これからも一緒に勉強していきましょうね

ではまた!

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