反応染料とは?反応染料の特徴や種類などについて解説

反応染料 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・反応染料とは?
・反応染料にはどんな特徴があるの?
・反応染料にはどんな種類があるの?

どもどもTにぃです

みなさん「反応染料」という染料をご存知でしょうか?

「そもそも染料ってなに?」という人は下の記事で染料について解説していますので、まずはそちらをご覧ください

反応染料は現在セルロース系繊維用染料の主流となっている染料です

反応染料は比較的新しい染料であり、反応染料が出てくる前は直接染料などが使用されていました

直接染料に取って代わって反応染料が普及したのには理由があり、反応染料を使用することで得られるメリットがそれだけ多くあるということです

今回はそんな反応染料について解説していこうと思います。

この記事を読むことで、反応染料とは、その特徴、種類についてお分かりいただけ、反応染料についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

   

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反応染料とは?

反応染料

・化学反応によって共有結合で染着する染料
・染料中反応基が繊維中官能基と結合
・比較的新しい染料
・セルロース系繊維の主力染料
・タンパク質繊維、ナイロン向けも

反応染料とは染色工程で繊維と科学的に反応し、共有結合で染着する染料のことをいいます

染料分子中に反応基を有しており、繊維中の官能基(セルロースであればヒドロキシ基)と強固な共有結合を形成し、染料と繊維が一体化します

反応染料は1956年に発表された比較的新しい染料ではありますが、その扱いやすさと湿潤堅牢度の良さから直接染料や硫化染料などに代わって、現在ではセルロース系繊維の主力染料として多く使用されています

セルロース系繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

   
また反応染料にはセルロース系繊維用だけでなく、羊毛や絹などのタンパク質繊維用やナイロンなどにも使用できる種類もあります

   

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反応染料にはどんな特徴があるの?

反応染料の特徴

・湿潤堅牢度が高い
・色相が広く鮮明
・均一に染まりやすい
・多種多様な染色方法可能
・比較的低温でも染色可能
・堅牢度や貯蔵安定性が低いものも  等

反応染料最大の特徴としては湿潤堅牢度の高さが挙げられます
反応染料は共有結合によって強固に結びつき染着するため、水によってその結合が切られる可能性が少なく、それによって優れた湿潤堅牢度が得られます

また反応染料は色相が広く、鮮明色から濃色まで幅広く染色可能です
加えて均一に染まりやすいため扱いやすい染料であるといえます
これは反応染料の分子が比較的小さく、繊維内への浸透や拡散が容易であるためとされています

反応染料は吸尽染色、パディング染色、捺染などの多種多様な染色が可能であり、染色方法の選択肢が多いという意味でも扱いやすいとされます
反応染料には低温タイプ、中音タイプ、高温タイプと種類があり、それら染料の反応基と色素母体との組み合わせによって様々な手法での染色が可能となります

一方、反応染料は全般的に塩素堅牢度が弱い傾向にあり、また種類によっては耐光堅牢度や汗耐光堅牢度が弱いものもあります

   

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反応染料にはどんな種類があるの?

反応染料の種類

・トリアジン系
・ビニルスルホン系  等

セルロース系繊維用反応染料にはいくつかの種類があり、その代表例として「ビニルスルホン系」と「トリアジン系」が挙げられます

基本的には反応染料とセルロースの結合は、通常の着用や洗濯条件では安定しており堅牢度が問題になることは少ないとされていますが、反応染料の種類によっては特定の条件で堅牢度に影響してしまうケースがあります

トリアジン系反応染料とセルロースの結合は酸加水分解を受けやすいとされています
そのため窒素酸化物や硫化酸化物などの酸性ガスが多く存在する環境の良くない場所で長期間保管された場合では徐々に染料とセルロース間の結合が切れてしまい、洗濯などの湿潤状態によって色なきが生じる場合があります
色なきに関しては下の記事で解説していますのでぜひ合わせてご覧ください

   
一方、ビニルスルホン系の場合には、高温の強アルカリ条件で加水分解を受ける場合があります
ただ高温の強アルカリ条件は一般的になかなかなり得ない条件ですので、通常の取り扱いであれば湿潤堅牢度に影響することはあまりありません

   

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まとめ

まとめ

・化学反応によって共有結合で染着する染料
・セルロース系繊維の主力染料
・高湿潤堅牢度、均染性、染色法選択肢多い
・塩素堅牢度が低い傾向
・トリアジン系とビニルスルホン系などの種類

今回は反応染料について解説してきました

反応染料とは染色工程で繊維と科学的に反応し、共有結合で染着する染料のことをいいます

反応染料は比較的新しい染料ではありますが、その扱いやすさと湿潤堅牢度の良さから現在ではセルロース系繊維の主力染料として多く使用されています

反応染料は、湿潤堅牢度が高い、色相が広く鮮明、均一に染まりやすい、多種多様な染色方法可能、比較的低温でも染色可能などの特徴があります

一方で反応染料は全般的に塩素堅牢度が弱い傾向にあり、種類によっては耐光堅牢度や汗耐光堅牢度が弱いものもあります

セルロース系繊維用反応染料には「ビニルスルホン系」と「トリアジン系」の代表例があり、基本的には通常の着用や洗濯条件では安定しており問題になることは少ないとされていますが、種類によっては特定の条件で堅牢度に影響してしまうケースがあるため注意が必要です

湿潤堅牢度に優れる、扱いやすい、染色方法の選択肢が多いということで、消費者も製造者も双方にメリットが多く、反応染料がセルロース系繊維を染色する際の主力染料となっていることにご納得いただけた人は多いのではないでしょうか

とはいえ全ての堅牢度に優れているわけではなく、取り扱いや保管方法によっては堅牢度を低下させてしまう可能性があることを理解しておく必要があります

どのようなものでも正しく扱ってこそ真の実力が発揮されるということを肝に銘じておきましょうね

ではまた!

   

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