アラミド繊維とは?アラミド繊維の特徴、欠点、用途について解説

アラミド繊維 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような方にオススメ!

・アラミド繊維ってなに?
・アラミド繊維の特徴や用途って?
・パラ系とメタ系ってどう違うの?

どもどもTにぃです

みなさん「アラミド繊維」ってご存知でしょうか?
アラミド繊維は一般衣料で使用されることはほぼ無く、馴染みの無い繊維かもしれませんね
ただ非常に有名な繊維ですのでお仕事で一度は聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか

アラミド繊維とはざっくり区分するとナイロンの仲間のようなものです
ただ多くの方が知っている一般的なナイロンとは全く異なる性質を持った繊維です
その性質から「スーパー繊維」にも含まれるほど優れた特性を持つ繊維なのです

スーパー繊維に関しては下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください


今回はそんなスーパー繊維のアラミド繊維について解説していきます

この記事を読むことで、アラミド繊維とは、アラミド繊維の種類、特徴、欠点、用途などについてお分かりいただけ、アラミド繊維についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

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アラミド繊維とは?

アラミド繊維の種類

・パラ系アラミド繊維
・メタ系アラミド繊維

アラミド繊維とは高機能繊維に分類されるポリアミド繊維のことで、ナイロンの仲間のような繊維です
1960年代にアメリカのデュポン社によって開発されました

一般的なナイロンは脂肪族ポリアミドであるのに対し、アラミド繊維は芳香族ポリアミドであるところが一般的なナイロンとの違いです
※難しい専門用語ですので理解できなくても大丈夫です

ポリアミド繊維に関しては下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください

  
実はアラミド繊維には構造の違いで「パラ系アラミド繊維」と「メタ系アラミド繊維」の2種類あります
同じアラミド繊維でもパラ系とメタ系で全く異なる特性を持っているんです
そしてその特性の違いによって用途も大きく変わります

両方とも非常に高機能な繊維ですので有名で人気があります
それぞれ解説していきますね

     

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パラ系アラミド繊維

パラ系アラミド繊維

・高強度、高弾性率などが特徴
・タイヤや光ケーブルなどの補強材、防弾チョッキなどに使用
・Kevlar®(ケブラー)が有名

パラ系アラミド繊維の特徴はなんと言ってもその強度です
鋼鉄と比較して引張強度は7倍程度にも関わらず重量は5分の1程度と高強度かつ軽量です
そして変形もしにくく力が加わっても元に戻りやすいです
また耐久性も高く、耐薬品性や耐水性、耐熱性にも優れどのような環境下でも耐えうる繊維です

そのような特徴からタイヤの補強材や光ケーブルの補強材などの強度や耐久性が必要とされる産業資材として広く使用されています
また防弾チョッキや防護服、作業用手袋など着用したり身につけたりするものにも使われています

パラ系アラミド繊維としてはデュポン社の「Kevlar®(ケブラー)」が有名です
「パラ系アラミド繊維」ではピンと来ない方の中でも「ケブラー」と聞くとピンと来る方も多いのではないでしょうか
それくらい「アラミド繊維=ケブラー」という認識で広く知られているということですね

ケブラー繊維という方もいるくらいですので、もはやケブラーは高強度アラミド繊維の代名詞と言えますね

 

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メタ系アラミド繊維

メタ系アラミド繊維

・長期耐熱性、難燃性などが特徴
・防火服などで使用
・Nomex®(ノーメックス)が有名

パラ系アラミド繊維が強度に優れているのに対して、メタ系アラミド繊維の優れている部分は耐熱性と難燃性です
難燃性を表すLOI値は29〜32であり、非常に高い難燃性を示します
難燃性繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください


メタ系アラミド繊維はその長時間熱に耐えられる特性と燃えにくい特性から、消防士の防火服や微細有害物質の除去フィルターなどに使用されています

メタ系アラミド繊維としてはデュポン社の「Nomex®(ノーメックス)」が有名です
ケブラーに比べると知名度は若干劣るかもしれませんが、それでもメタ系アラミド繊維の代名詞と言えるくらい有名ですね

同じアラミド繊維なのに構造の違いでメタ系とパラ系で特徴が大きく異なるのは面白いですね

 

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アラミド繊維の欠点

アラミド繊維の欠点

・紫外線に弱い
・アルカリに弱い
・染色性が悪い  など

説明してきたようにすばらしい性能を持つアラミド繊維ですが、実は欠点もあるんです

ポリアミド繊維共通の欠点として紫外線に弱いということが挙げられます
ポリアミド繊維は紫外線を吸収し、変色、劣化してしまう性質があります
そのため紫外線を浴び続けるような状況では注意が必要です

またアルカリに弱いという欠点もあり、アルカリの影響で劣化してしまう可能性があります
特にアラミド繊維のアイテムを洗う際には弱アルカリ性洗剤は避け、中性洗剤を使用するのが良いでしょう

そしてアラミド繊維は染色性が悪いということも挙げられます
同じポリアミド繊維ですがナイロンとは少し異なり、綺麗に染色するのが難しいとされています
綺麗に染色するにはかなりのエネルギーが必要となり、経験値のある染色工場でなければ難しいでしょう
そのため染色ではなく原着糸で生地を作る場合もあるようです

完璧なものは無く、優れたものでも欠点があることを覚えておきましょう

  

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まとめ

まとめ

・アラミド繊維はナイロンの一種で高機能繊維
・構造の違いによってパラ系とメタ系の2種類存在する
・パラ系は高強度が特徴で補強材や防弾チョッキなどに使用
・メタ系は耐熱性と難燃性が特徴で防火服などに使用
・紫外線やアルカリに弱い、染めにくいなどの欠点がある

今回はアラミド繊維について解説してきました

「アラミド繊維は強いというイメージしかなかった」
「アラミド繊維に2種類あることを知らなかった」
という方は案外多いのではないでしょうか

「アラミド繊維=ケブラー=高強度」
このイメージがあまりに強すぎて、アラミド繊維は強いという認識だけが普及したのだと思います
実はアラミド繊維は強いだけでなく、他にも多くの特徴があるスーパー繊維だったということを覚えておいていただけると良いと思います

繊維は衣類として使われる以外にも幅広く使われています
私達の生活を支えている縁の下の力持ちとして活躍しています
そんな繊維たちも知ってもらえるように今後も情報発信していきます

ではまた!

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