どもどもTにぃです
「吸水性繊維」という繊維をご存知でしょうか?
吸水性繊維とはその名の通りで吸水性がある繊維のことです
吸水性繊維は単に吸水性がある繊維という訳ではなく、水と馴染みにくい疎水性繊維であるにも関わらず吸水性がある繊維のことを指します
「疎水性繊維なのに吸水性ってどういうこと?」と思われる人もいらっしゃると思います
実は疎水性繊維にあることをすることで吸水性を持たせることができるのです
そして疎水性であるにも関わらず吸水性を持つことで、とても機能的な繊維となり私たちが快適に生活できるよう手助けをしてくれるようになります
今回はそんな吸水性繊維について解説していこうと思います
この記事を読むことで、吸水性繊維とは、その特徴や構造、親水性繊維との違いについてお分かりいただけ、吸水性繊維についての理解が深まると思いいます
ぜひ最後までご覧ください
吸水性繊維ってなに?
吸水性繊維とは水と馴染みにくい疎水性の合繊繊維に対して吸水性を付与した繊維のことです
合成繊維については下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
そもそも吸水性とは液状の水を吸収する性質のことをいいます
疎水性繊維は水と馴染みにくいため本来であれば吸水性はありません
しかし繊維を異形断面にすることによって吸水性が付与されるのです
化学繊維は通常丸断面でつくられるのですが、中空断面や十字断面、W字断面など特殊な断面にしてつくられる繊維を異形断面繊維といいます
異形断面繊維にすることで繊維同士の隙間が大きく空くことになり、異形断面繊維からなる糸は隙間が多い糸となります
その隙間に水を溜め込むことができるようになるため、疎水性繊維であっても吸水性を付与することが可能となるのです
生地にマジックペンで名前を加工として滲んだ経験がある人は多いと思います
あれはマジックペンのインクが繊維の隙間にどんどんと広がっていってしまうことで起こる現象です
このようにして水分が繊維の隙間に入り込み、どんどんと広がっていくことを「毛細管現象」といいます
この毛細管現象は繊維の隙間が多いほどより多くの水分を吸収し広がっていきます
そして広がっていった水分はやがて蒸発・拡散していくのです
吸水性繊維はもともと疎水性繊維であるため、合成繊維である場合が多いです
中でも圧倒的にポリエステル繊維が多く、また数は少ないですがアクリル繊維でもつくられることがあります
ポリエステルとアクリルに関してはそれぞれ解説した記事がありますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください
吸水性繊維は単独で使用される場合もありますが、綿やキュプラなどの親水性繊維と複合し吸湿性も併せ持つ生地として用いられることもあります
吸水性繊維にはどんな特徴があるの?
吸水性繊維には異形断面にすることで得られる様々な特徴があります
吸水性繊維の特徴の中からいくつかピックアップして解説していきます
【吸水性】
吸水性繊維はその名の通りで吸水性があります
吸水性を向上させるために様々な断面形状をした繊維が開発されており、吸水性繊維にも数多くの種類があります
異形断面にするだけでなく繊維の表面を親水化させることで、さらに吸水性を向上させているものもあります
【速乾性】
吸水性繊維は疎水性の合成繊維であるため繊維の中に水分を溜め込むことはありません
そして毛細管現象によって素早く拡散し、生地の広い表面から蒸発するため速乾性があります
このため吸水性繊維は吸水速乾繊維、吸汗速乾繊維とも呼ばれます
速乾性があることで洗濯した際にも早く乾くため、繰り返し使用しやすいというメリットがあります
【清涼感】
吸水性繊維を使用した衣類では汗を吸収し素早く蒸発させることができるため清涼感があります
汗をかいてもべたつきにくいため、インナーやスポーツウエアに適しているといえます
夏の暑い時期でも清涼感を与えて、少しでも快適に過ごす手助けをしてくれています
【軽量】
吸水性繊維は軽量という特徴もあります
吸水性繊維は繊維同士の隙間が多いため、見かけよりも非常に軽い糸や生地をつくることができます
衣服が軽量になることで疲れにくくなるため、地味にうれしいメリットとなります
吸水性繊維と言いながら吸水性以外も特徴も多くありますね
親水性繊維とはどう違うの?
吸水性繊維以外にも吸水性のある繊維は存在します
それが親水性繊維です
親水性繊維は吸水性と似ているようでありながら、実は異なる性質の繊維です
少しややこしいですが、吸水性繊維と親水性繊維の違いについて解説します
親水性繊維とは水に馴染みやすい繊維のことです
親水性繊維は多くの場合、吸水性と吸湿性を併せ持ちます
吸湿性とは水蒸気を吸収する性質のことであり、吸水性繊維にはこの吸湿性は基本的にありません
逆に吸水性繊維は疎水性合成繊維であるため速乾性がありますが、親水性繊維は繊維の中に水分を溜め込んでしまうため速乾性がありません
親水性繊維は天然繊維や再生繊維などのセルロースやタンパク質からなる繊維が多いですが、吸水性繊維はポリエステルやアクリルなどの合成繊維です
親水性繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
まとめ
今回は吸水性繊維について解説してきました
吸水性繊維とは水と馴染みにくい疎水性の合繊繊維に対して吸水性を付与した繊維のことです
異形断面にすることで繊維同士の隙間を増やし、毛細管現象によって水分が拡散されるため吸水性を付与することができます
吸水性繊維には「吸水性」以外にも、「速乾性」「清涼感」「軽量」などの特徴があります
親水性繊維にも吸水性がありますが、吸水性繊維とは異なります
親水性繊維はもともと水に馴染みやすい繊維であり、吸水性と吸湿性がありますが速乾性はありません
また親水性繊維は天然繊維や再生繊維などのセルロースやタンパク質からなる糸をいいます
吸水速乾素材は今やスポーツウエアだけでなく夏物衣料でも必要不可欠な素材となっており、吸水性繊維は私たちが厚い時期でも快適に過ごせるよう手助けしてくれている繊維です
ポリエステルなのに吸水性がある衣類や吸水速乾素材では間違いなく吸水性繊維が使われていますので、そのようなアイテムを見たときにはぜひこの記事を思い出していただければと思います
ではまた!
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