どもどもTにぃです
靱皮(じんぴ)繊維という言葉をご存知でしょうか?
靱皮繊維とは簡単にいうと植物の茎から採取される繊維のことです
植物から採取される繊維を総じて植物繊維といい、植物のどの部分から採取されるかによってさらに種子毛繊維、葉脈繊維、果実繊維そして今回の靱皮繊維に分類されます
植物繊維に関してはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
そもそも靱皮繊維という言葉だとなかなか聞き慣れない言葉だと思います
しかし実は靱皮繊維の代表例はみなさんご存じの有名な繊維です
そのため靱皮繊維と聞くと得体の知れない遠い存在のように感じるかもしれませんが、実際にはそんなことはなく非常に身近な繊維で、その繊維からつくられる製品をお持ちの人は多いと思います
ということで今回は靱皮繊維について解説していこうと思います
この記事を読むことで靭皮繊維とは、靭皮繊維の種類についてお分かりいただけ靱皮繊維に関する知識が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
靱皮繊維とは?
靱皮繊維とは植物の茎から採取される繊維のことです
特に茎の靱皮部から採取される繊維をいいます
そもそも靱皮とは茎の木質部外側にある部分のことで、木質部を取り囲む層のようなものです
その靱皮部に繊維が存在しており、そこから採取される繊維のため靱皮繊維とされています
靱皮繊維の種類
靱皮繊維の代表例としては麻繊維が挙げられます
特に亜麻と苧麻は麻繊維の中では柔らかく、紡績性が良いため広く衣料に用いられておりご存知の人も多いと思います
亜麻、苧麻に関しては下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
黄麻はシナノキ科の一年生植物から採取される繊維で、麻袋やカーペット基布などに使用されます
カーペット分野ではジュートと呼ばれる場合が多いです
大麻はアサ科の一年生植物から採取される繊維で、ロープや畳表の経糸などに使用されます
また高級織物として一部の衣料にも使用される場合があります
洋麻はアオイ科の一年生植物から採取される繊維で、パルプの代用として紙の原料に使用される場合があります
上記は全て麻繊維ですが、繊維製品品質表示規定により品質にとして「麻」と表示できるのは亜麻と苧麻のみとされています
靱皮繊維ではない麻繊維もある
先程の解説で靱皮繊維の代表例は麻繊維ということがお分かりいただけたと思います
しかし麻繊維の全てが靱皮繊維という訳ではありません
麻繊維でも靱皮繊維でないものが存在し、それはマニラ麻とサイザル麻です
マニラ麻はバショウ科の多年生植物から採取される繊維であり、サイザル麻はリュウゼツラン科の多年生植物から採取される繊維のことです
どちらも繊維は太くて硬いため衣料用途には向かず、ロープやひもなどに使用されています
これらは茎から採取される靱皮繊維ではなく、葉や葉柄から採取される葉脈繊維に分類されます
麻の中でも靭皮繊維と葉脈繊維があるということですね
麻以外の靱皮植物
麻以外にも靱皮植物は存在します
「楮」や「みつまた」は靱皮植物の例であり、これらから採取される繊維は和紙の原料として使用されています
こうなると「楮やみつまた、そして和紙繊維も靱皮繊維に含まれるのでは?」という疑問を感じる人もいるかもしれません
これらが靱皮繊維に含まれるのかというと、正直私にも分かりませんw
これは解釈しだいな部分があるかと思いますので、考え方しだいでどちらにでもなると思います
公式にこれらは靭皮繊維として分類されることはないかもしれませんが、麻以外にも靱皮部から採取される繊維を利用しているものもあるということを覚えておいていただければと思います
まとめ
今回は靱皮繊維について解説してきました
靭皮繊維とは植物の茎の靱皮部から採取される繊維のことです
靱皮繊維の代表例として亜麻、苧麻、黄麻、大麻など麻繊維の多くが挙げられます
麻繊維全てが靱皮繊維という訳ではなく、マニラ麻やサイザル麻などは葉から繊維を採取する葉脈繊維となっています
また麻以外にも和紙の原料とされる楮やみつまたなどは靱皮植物とされています
「靱皮繊維=茎から採取=麻繊維」という認識であまり問題無いと思います
靱皮繊維という言葉をあまり耳にすることはないかもしれませんが、これを機に頭の片隅に置いていただけたらと思います
ではまた!
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