モノフィラメントとは?禁止の理由は?特徴、用途について解説

モノフィラメント 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような方にオススメ!

・モノフィラメントってなに?
・モノフィラメント糸は何に使われているの?
・マルチフィラメントとはどう違うの?
・モノフィラメント糸が禁止されているのはなんで?

どもどもTにぃです

みなさん「モノフィラメント」という言葉をご存知でしょうか?

繊維業界やアパレル業界以外の方でもテニスや釣りをされる方は聞いたことがあるかもしれませんね

モノフィラメント(糸)とは化学繊維のフィラメント1本からできている糸のことです
これに対して複数本のフィラメントからできている糸をマルチフィラメント(糸)と言います

モノフィラメントは1本の繊維からできていることでマルチフィラメントには無い特徴を持つ糸なのです
一方で、1本の繊維からできているが故に注意すべき点も存在します
場合によっては使用を禁止されている場合もあるんです

今回はそんなモノフィラメントについて解説していこうと思います

この記事を読むことでモノフィラメントの特徴、用途、注意点、使用が禁止される理由を知ることができ、モノフィラメントについての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

  

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モノフィラメントとは?モノフィラメント糸の特徴は?

モノフィラメント

・繊維が太く「繊維」=「糸」
・強度があり硬い
・透明度が高い
・ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなど合成繊維が多い

モノフィラメントとは化学繊維のフィラメント1本からなる糸のことです

フィラメントとは長繊維のことで、長繊維に関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

  
1本のフィラメントからできているということで「繊維」=「糸」ということになります
そして糸としての物性を保つために繊維の太さはかなり太くなります

モノフィラメントの特徴としては強度があるということが挙げられます
例えば同じ167デシテックスの糸でもモノフィラメントとマルチフィラメントで比較すると圧倒的にモノフィラメントの方が強度があります
これはマルチフィラメントは細い繊維の集合体であるのに対して、モノフィラメントは太い繊維1本でできているためです
この強度に関しては特に摩耗に対する強度でかなり差がでやすく、マルチフィラメントでは繊維が細いためすぐに擦り切れてしまいます

またモノフィラメントは透明度が高いことも特徴です
基本的にポリエステルなどの合成繊維は原着にしたり酸化チタンなどを入れないかぎりは無色透明な繊維です
よってモノフィラメントであれば透明に近い糸を作り出すことが可能です
一方マルチフィラメントは繊維の集合体ですので、1本1本が透明であってもそれぞれの繊維間での屈折や反射などによって光は真っ直ぐに進むことができません
そのことにより繊維は透明であっても糸としてはどうしても白色になってしまうのです
マルチフィラメントに関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください


モノフィラメントの繊維には基本的に合成繊維が使われる場合が多いです
ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどが多く用いられています

合成繊維に関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

またナイロンポリエステルポリプロピレンも個別に解説していますので、合わせてご覧ください

  

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モノフィラメントの用途

モノフィラメントの用途

・釣り糸
・漁網
・ガット
・ブラシ
・縫合糸 など

モノフィラメントはその強度や硬さ、ハリコシなどを活かす用途が多いです

水産分野では漁網や釣り糸などに使用されます
ナイロンモノフィラメントの釣り糸は釣りをされる方であればご存知なのではないでしょうか

農業土木分野ではフェンス、人工芝、ロープ、ネットなどに使用されます

生活関連分野ではファスナー、ウイッグ、ブラシ、防虫網、ガットなどに使用されています
ハリコシがあるモノフィラメントはウイッグやブラシにも適していますね
またテニスやバドミントンをされる方にはガットはよく使用されるかと思います

工業分野ではフィルター、キャンバス、ベルトなどに使用されています

また衣料分野としては縫合糸にも使用されています

このように見ると本当に幅広い分野でモノフィラメントが活用されていることが分かりますね

  

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モノフィラメント糸が禁止される理由は?

モノフィラメント糸の注意点

・皮膚刺激性がある
・負荷がかかっても切れにくい
・しなやかさが少なく折れ曲がる

実はモノフィラメントは繊維の主な用途である衣類に使用されることはあまりありません
むしろ衣類関係に使用を禁止されている場合もあります
そこにはモノフィラメントの強度があり硬いという特徴が影響しています

まずはモノフィラメントは皮膚刺激性があり、その点に注意が必要です

出典:一般財団法人ニッセンケン品質評価センターHP

上の写真は衣類に使用しているモノフィラメントの縫い糸が飛び出している様子です
写真のように太いモノフィラメントが飛び出すことによって、その部分が皮膚に当たるとチクチクとした刺激を与えてしまいます
そのチクチクの影響で痒くなってしまったり、赤くなってしまう可能性があります

次にモノフィラメントは負荷がかかっても切れにくいことも注意しなければいけません
モノフィラメントは非常に丈夫な糸ですので、人の手だけではそう簡単に切ることができません
そのため糸が指や首に巻き付いたりした場合は非常に危険です
軽い怪我などで済めば良いのですが最悪の場合は切断という可能性もあるため注意が必要です

最後にしなやかさが少なく折れ曲がるということにも注意が必要です
マルチフィラメントの糸であればしなやかさがあるため折り曲げてももとに戻ります
しかしモノフィラメントはその硬さ故に折り曲げると折り目が付いてしまう場合があります
折り目が付いてしまうと見た目にも変わってしまいますし、その部分が突起となると怪我の原因にもなります

以上のことなどがあるためにモノフィラメントは衣類に使用されることはあまりありません
その特徴故に安全面を考慮すると仕方のないことなのだと思います

  

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まとめ

まとめ

・モノフィラメントとは1本の繊維からなる糸のこと
・強度があり硬く透明度が高いことが特徴
・資材関連での用途が多い
・皮膚刺激性、切れにくい、折れ曲がることに注意が必要

今回はモノフィラメントについて解説してきました

モノフィラメントとは化学繊維のフィラメント1本からなる糸のこと

強度が高く硬くて丈夫であることが特徴で、また透明度の高い糸を作ることが可能です

その特徴を活かして主に資材分野で幅広い用途に活用されており、私たちの身近なところで使用されています

一方その特徴故に衣類用途には向いておらず、むしろ禁止されているケースもあります

ただしマルチフィラメントにはない特徴がありますので、モノフィラメントの良さを活かした用途でこれからも活躍していくと思います
適材適所という言葉があるようにモノフィラメントとマルチフィラメントを上手に使い分けていけば、どちらも必要不可欠な材料となります

繊維はいろいろな形をして私たちの生活に関わっているということを知っていただければと思います

ではまた!

  

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