どもどもTにぃです
寒い時期に重宝するのが吸湿発熱繊維のインナーですよね
「冬は発熱素材のインナーがないと無理!」
という人は結構多いのではないでしょうか
ちなみに私もその中の一人です
そんな吸湿発熱繊維ですが、そもそもなぜ発熱するのかご存知でしょうか?
「技術の進歩によって発熱する繊維が開発されたから」
この考えも間違いとは言い切れませんが、これだけではありません
実は発熱の原理は特殊な先端技術という訳ではなく、以前からも存在する原理利を用しているものなのです
また吸湿発熱繊維を使用した製品は使う人や使う状況によっては注意が必要な場合があります
どのような状況でも暖かくしてくれる訳ではないので気をつけなければいけません
今回はそんな吸湿発熱繊維について解説していこうと思います
この記事を読むことで、吸湿発熱繊維はなぜ発熱するのか、吸湿発熱製品の注意点についてお分かりいただけると思います
ぜひ最後までご覧ください
吸湿発熱繊維はなぜ発熱するのか
吸湿発熱繊維とは、その名の通り湿気を吸収することで発熱する「吸湿発熱」という機能を持った繊維のことです
ただ湿気を吸収することで発熱するといわれても正直あまりピンとこないですよね
ということでみなさんご存知のアレを例に挙げて説明します
みなさん打ち水はご存知ですよね?
そう、暑い日に水を撒いて涼しくするアレです
打ち水はなぜ涼しくなるかはご存知でしょうか?
暑い日に水を撒くとその水は蒸発してしまいますよね
実は水は蒸発して気体になるときに周りから熱を奪います
周りから熱を奪うことでその周りが涼しくなるという原理なんです
この水が気体になるときに熱を奪う現象のことを「気化熱」といいます
そしてこの気化熱と逆の現象も起こります
つまり気体が水になるときに熱を発するということです
このことを「凝縮熱」といい、これが吸湿発熱の原理となっているのです
吸湿発熱素材のインナーを着た場合で説明します
吸湿発熱インナーの組成はレーヨンなどの吸湿性があり水分をため込みやすい繊維とポリウレタンの組み合わせが多いかと思います
レーヨン、ポリウレタンに関しては下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください
製品によっては特殊な加工をすることで吸湿性、保水性をさらに高めている場合もあります
そして人は皮膚から常に水蒸気を発していますよね
この水蒸気を繊維が吸い込み水分としてため込むときに熱を発するのです
そしてインナーを着ている人が温かくなるという訳なんです
実は全ての繊維でこの吸湿発熱という現象は起こります
ただし吸湿性、吸水性が高い繊維のほうがより熱を発しやすいとされています
水蒸気を繊維内に吸い込み水分に変えられる量を「公定水分率」といいます
・羊毛(ウール) 15%
・レーヨン 11%
・綿(コットン) 8.5%
・ナイロン 4.5%
・アクリル 2.0%
・ポリエステル 0.4%
この表のようにウールは公定水分率が高いため、吸湿発熱性が高いと言えます
ではなぜウールをインナーに使わないかというと洗濯などの取り扱いに問題があるからですね
これは以前のウールの記事でお話しましたね
ウールに関しては下の記事で解説していますので合わせてご覧ください
ただ技術の進歩によって特殊な加工を施すことで吸湿性、吸水性を上げることができるようになったのは事実です
それによって化学繊維でもウール並み、もしくはそれ以上の吸湿性、吸水性を出すことができるようになりました
なので技術の進歩で発熱できるようになったというのもあながち間違いではないのですね
吸湿発熱素材の注意点
吸湿発熱素材の衣服を使用する際に注意すべきことがあります
それは過度に暖かくなってしまうことです
暖かくなりすぎてしまうと当然汗をかきます
汗は気化熱により体温を下げるために出るものです
なので暖かくなりすぎて汗をかきすぎるようでは逆に体温を下げてしまうことがあるんです
子供は体温が高く汗をかきやすいので特に注意が必要です
「寒い時期でも発熱インナーを着ていれば大丈夫」ではなくて、汗をかいたら着替えるようにしましょう
また運動など汗をかくことが想定される場合は発熱素材ではなく吸水速乾素材のウエアを着るようにしましょう
まとめ
今回は吸湿発熱素材についてお話してきました
吸湿発熱は湿気を吸収し水分としてため込む際に発熱する現象のことです
ウールやレーヨンのように吸湿性、吸水性が高いと発熱しやすくなります
一方で特殊な加工によって吸湿性や吸水性を高めることも可能となりました
過度な発熱による発汗で、逆に体温を下げてしまう可能性があるので注意が必要です
特に小さな子供や運動時には気を付たほうが良いでしょう
寒くなってくると吸湿発熱素材のアイテムが重宝しますね
ただ寒いから使うのではなく、使用シーンをしっかり考えて上手に使う必要があると思います
吸湿発熱の原理をしっかり理解して上手に使うことで、寒い季節も快適に過ごしていきましょうね
ではまた!
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