皮革とは?皮革の種類やそれぞれの特徴について解説

繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・皮革とは?
・皮革にはどんな種類があるの?
・皮革にはどんな特徴があるの?

どもどもTにぃです

みなさん「皮革(ひかく)」という言葉をご存じでしょうか?

「皮革」の「皮」も「革」もどちらも「かわ」を意味する言葉であることから、動物の「かわ」を指すことは理解しやすいと思います

皮革は動物から剥いだ皮を使用する素材のことです
またその皮を模して人工的につくられるものを含める場合もあります

皮革にはいくつかの分類があり、それぞれ見た目や性能が異なるため、目的や用途に応じて使い分けられています
また施す仕上げ方法や見た目に変化をつける後加工などにも多岐にわたり、つくられる素材には非常に多くの種類があります

今回はそんな皮革について解説していこうと思います

この記事を読むことで。皮革とは、皮革の分類や種類とそれぞれの特徴についてお分かりいただけ、皮革についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

   

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皮革とは?

皮革

・動物の皮を剥いでシート状にしたもの
・皮を模して人工的につくられたもの
・天然と人工では安定性や価格に大きな差
・近年は人工のものが注目を浴びている
・衣料品、雑貨、インテリア、自動車資材などで使用

皮革とは動物の皮を剥いでシート状にしたもののことです
また皮を模して人工的につくられるものを含む場合もあります

動物から採取される皮革はその希少性的価値や特有の見た目、触感はまさしく本物の証であり、根強いファンから非常に人気の高い素材であるといえます
一方で生産量が安定しない、品位が均一でない、高価になりやすい、動物愛護の観点で賛否があるなど様々な課題があるのも事実です

そこでその代替品として天然品を模して人工的につくられる皮革が近年ますます注目を浴びています
人工的につくられるため生産量や品位が安定しており、ある程度の量をまとめて生産することで価格も抑えることが可能です
また動物から採取されるわけではないため動物愛護の観点からもエシカルな素材として人気が高まってきています

用途としてはジャケットやパンツなどの衣料品をはじめ、靴やバッグなどの雑貨類、ソファーやクッションなどのインテリア関連、カーシートなどの自動車内装材関連と幅広い分野で皮革は使用されています

   

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皮革にはどんな種類があるの?

皮革の種類

・天然皮革
・合成皮革、人工皮革
・毛皮
・人工毛皮

皮革は「天然皮革」「合成皮革、人工皮革」「毛皮」「人工毛皮」の4つに分類することができます

それぞれ解説していきます

   

天然皮革

天然皮革

・「皮」「革」は異なる
・牛、豚、ワニ、馬、鹿など
・仕上げ方法にも多数種類がある
・雑貨工業品品質表示規定に従う

天然皮革とは動物から剥いだ皮から毛を落として使用する素材です

そもそも「皮」と「革」は異なるものとして分別されます
「皮」は動物から剥いだ生皮とそれを乾燥したり塩漬けしたりして保存、保管、輸送に耐えられるようにした原皮を指します
一方「革」は動物から剥いだ皮を脱毛し生皮や原皮の腐敗を防ぎ、柔軟性や耐久性を付与するための「なめし」を行って得られる製品を指します

天然皮革の特に革として使用される動物には「牛」「豚」「ワニ」「馬」「鹿」などがあり、それぞれ「牛革」「豚革」「ワニ革」「馬革」「鹿革」といわれます

また仕上げ方法にも多くの種類があり、その仕上げ方法によっても呼び方が変わり、「スムース」「スエード」「ベロア」「ヌバック」などがあります

天然皮革は動物の皮であるため「繊維製品」ではなく「雑貨」という扱いになるようです
そのため製品の品質表示も「繊維製品品質表示規定」ではなく「雑貨工業品品質表示規定」に従う必要があります
天然皮革を使用する製品を企画する際には注意すべき点となりますのでお気をつけください

天然皮革に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

   

合成皮革、人工皮革

合成皮革、人工皮革

・天然皮革を模してつくられるもの
・織物、編物、不織布に樹脂を塗布、含浸
・安定生産、品位均一、高耐久、安価
・雑貨工業品品質表示規定に従う

合成皮革、人工皮革は天然皮革を模して人工的につくられる素材のことです

織物や編物を基材としてそこにポリウレタン樹脂を塗布(コーティング)したものを「合成皮革」、特殊な不織布にポリウレタン樹脂を含浸、塗布したものを「人工皮革」といいます

これらは人工的につくられる素材であるため、天然皮革と比べて生産が安定しており、品位も均一になりやすく、また耐久性も高く安価となる傾向があります

合成皮革、人工皮革は繊維を使用してはいますが、その素材を使用する製品は天然皮革同様に「雑貨工業品表示規定」に従う必要があります

合成皮革、人工皮革については下の記事で解説していますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください

   

毛皮

毛皮

・毛並みの良い動物から皮ごと剥いで使用
・保温性、耐水性、柔らかい触感が特徴
・ミンク、ラビット、フォックス、ラムなど
・品質表示規定に含まれない場合がある

毛皮は比較的毛足が長く、毛並みの良い動物から採取される皮素材のことです
本物の毛皮ということで「リアルファー」と呼ばれる場合もあります

毛皮は動物の生命や体を守る役目を果たすものであるため、保温性や耐水性に優れるものが多いとされます
また特有の柔らかい触感と光沢は本物ならではものです

毛皮に使用される動物としては「ミンク」「ラビット」「フォックス」「ラム」「キャット」などが挙げられます

現状では毛皮を使用した製品は各品質表示規定に分類されない場合があります
もちろん全ての毛皮製品に品質表示が必要ではないということではありませんが、製品によっては品質表示がないものもありますので、取り扱い方法には十分注意が必要です

現在使用されている毛皮は野生動物から採取されている割合は非常に少なく、全体の約15%程度とされています
残りの85%程は毛皮採取用に養殖された動物から採取されています

近年では動物愛護の観点から毛皮の使用に疑問を感じている意見が多くなってきており、毛皮から人工毛皮へとトレンドを移り変わっています

   

人工毛皮

人工毛皮

・毛皮も模してつくられるもの
・フェイクファー、エコファーとも呼ばれる
・アクリル、ポリエステル繊維を使用
・繊維製品品質表示規定に従う

人工毛皮とは毛皮を模して人工的につくられる素材のことです

毛皮を「リアルファー」と呼ぶことに対して、人工毛皮は「フェイクファー」「エコファー」と呼ばれることがあります

毛皮の毛の部分はアクリルやポリエステルなどの合成繊維で再現される場合が多いです
そのため毛皮よりも生産性が高く、品位も安定しており、安価につくることが可能です
合成繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください

   
また人工毛皮ではアクリルやポリエステルなどの繊維を使用していることもあり、繊維製品として扱われる場合が多く、品質表示も「繊維製品品質表示規定」に従う必要があります

   

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まとめ

まとめ

・皮革は動物の皮を剥いで使用する素材
・天然皮革は毛足の短い動物の皮を剥いで使用する素材
・合成皮革、人工皮革は天然皮革を模して人工的につくられる素材
・毛皮は毛足の長い動物の皮を剥いで使用する素材
・人工毛皮は毛皮を模して人工的につくられる素材

今回は皮革について解説してきました

皮革とは動物の皮を剥いでシート状にした素材、または皮を模して人工的につくられる素材のことをいいます

皮革には「天然皮革」「合成皮革、人工皮革」「毛皮」「人工毛皮」があります

天然皮革とは動物から剥いだ皮から毛を落として使用する素材です
牛、豚、ワニ、馬などの種類があります
また仕上げ加工にはスムース、スエード、ベロアなどもあり多くの仕上げ方法があります

合成皮革、人工皮革は天然皮革を模して人工的につくられる素材のことです
織物、編物、不織布の基材に樹脂を塗布、含浸させることでつくられ、安定生産、品位均一、高耐久、安価の特徴があります

毛皮は比較的毛足が長く、毛並みの良い動物から採取される皮素材のことです
ミンク、ラビット、フォックス、ラムなどの種類があり、保温性、耐水性、柔らかい触感が特徴です

人工毛皮とは毛皮を模して人工的につくられる素材のことです
毛の部分はアクリルやポリエステルなどの合成繊維で再現される場合が多く、毛皮よりも生産性が高く、品位も安定しており、安価につくることが可能です

皮革とは広義の言葉であり、皮革の中にもいろいろと分類があることをお分かりいただけたのではいでしょうか

今回は様々な皮革を解説してきましたが、天然品と人工品のどちらが優れているということではなく、それぞれに長所と短所があり、目的や用途に応じて使い分けられる必要があります
皮革製品には根強いコアなファンが多く、また皮革素材は衣料品、雑貨、インテリア、内装材、自動車資材と幅広い分野で使用されているため、今後もますます注目を集める素材だと思っています

繊維とは少し外れる部分もありますが、繊維を使用している部分もありますし、繊維と同じような用途で使用されることが多いため、近い存在として今後も注視していこうと思っています

皮革製品も私達の生活になくてはならない存在となっていますので、多くの方が皮革に対して興味を持っていただき、身近な皮革製品を再確認していただければと思います

ではまた!

   

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