どもどもTにぃです
みなさん織物についてどのくらいご存じでしょうか?
そもそも「織物と編物の違いが分からない」という人もいると思います
織物と編物の違いについては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
また織物については「何となくわかる」という人も多くいると思います
しかし、どのような特徴があって、どのような織り方があって、どのような織機があるかというところまで知っているという人は案外少ないのではないでしょうか
織物とはとても奥が深いもので、使用する繊維や糸、織り方、施す加工などによって様々な種類の織物をつくることができます
また用途の幅も非常に広く、衣類以外にも多くの分野で織物が使用されています
今回はそんな織物について解説していこうと思います
この記事を読むことで織物とは、織物の特徴、織り方の種類、織機の種類についてお分かりいただけ、織物についての理解が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
織物とは?
織物とはたて糸とよこ糸を交差させることでつくられる布のことです
長さ方向のたて糸と幅方向のよこ糸が織機によって互いに直角に上下に組み合わされて交差してつくられます
織物は素材、撚糸、組織(織り方)、加工などに数多くの選択肢があり、それぞれの組み合わせによって商品多様化が可能となっています
また織物は非常に用途が多いとされています
もちろん多くの人が思うように衣類用途として使用されるものが圧倒的に多いです
しかしそれ以外にも、日用品、インテリア、医療・衛生用品、園芸用品、産業資材など幅広い分野で織物は使用されています
先程の商品多様化が可能であるということが、このような幅広い用途に繋がっているといえるでしょう
織物にはどんな特徴があるの?
織物には数多くの特徴があります
今回はその特徴を編物と比較しながら解説していきます
【型崩れしにくく丈夫】
織物には型崩れしにくく丈夫という特徴があります
織物は編物に比べてしっかりとした生地となる傾向があります
そのため衣類においては洗濯しても型崩れしにくいものとなります
また編物に比べて強度も高い傾向にあるため丈夫であるともいえるでしょう
【水や光の遮断性を高めやすい】
織物は編物にくらべて遮断性を高めやすいという特徴があります
もちろん編物でも遮断性を高めることは可能ですが、より織物の方が容易ということです
織物は組織や糸を工夫することで密度を高めることが可能です
そして丈夫であるため織物を引っ張っても大きな隙間があくことは少ないです
それ故に織物単体でもかなりの遮断性を持たせることが可能です
加えてコーティングや貼り合わせ、表面を少し溶かして生地目を埋めるなどによって、より一層遮断性を高めることができます
これらによって雨傘、日傘、防水ウエア、テント水や光を遮るアイテムなどに使用されています
【伸縮性が低くシワになりやすい】
織物は伸縮性が低くシワになりやすい傾向があります
これは編物に比べてしっかりとした生地となるが故に柔軟性が低いためです
しっかりした生地となるということは強度という面ではメリットとなりますが、柔軟性という面ではデメリットとなりやすいです
特に衣類用途であればある程度の伸縮性があり、シワになりにくいほうが扱いやすいため、デメリットとなるといえるでしょう
織物にはその他にも多くの特徴がありますが、それらは編物と比較すると理解しやすくなると思います
編物については下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
織り方にはどんな種類があるの?
織物の基本的な織り方として「平織」「斜文織(綾織)」「朱子織」の3つが、これらを織物の「三原組織」といいます
織物の織り方には様々な種類がありますが、多くの織物はこの3種類、もしくはこの3種類から派生した織り方でつくられています
それぞれ解説していきます
平織
平織とはたて糸とよこ糸が1本ごとに交差させる織り方です
たて糸とよこ糸それぞれ2本以上で構成されます
最も単純で基本的な織り方であり、幅広く用いられる織り方とされています
平織でつくられる織物は、目ずれの起きにくく丈夫、製織が容易で応用が最も広い一方、糸の屈曲が多いため密度を高くできない、硬くてシワが入りやすいなどの特徴があります
斜文織(綾織)
斜文織は織物表面に斜めの畝状の線が現れる織り方です
たて糸とよこ糸それぞれ3本以上で構成されます
平織と比較して密度を高くすることができ、厚地をつくることも可能で、柔軟でありシワになりにくい特徴があります
斜文織は織り方の種類が多くできる一方でその応用は平織に比べて少ないとされています
朱子織
朱子織はたて糸かよこ糸のどちらか一方が表面に多く浮き出た織り方です
たて糸とよこ糸共に5本以上で構成され、5本でつくられる場合は4:1の割合でどちらかが多く表面に浮き出ます
たて糸とよこ糸の交差が少ないため平滑な生地となりやすく、また連続して糸が表出するため光沢感も得られやすい傾向があります
三原組織の中では最も密度を高めることができ、厚地をつくることも可能であり、柔軟な生地にすることができます
ただし糸がの交差が少なく多く浮き出ることにより、強度が低くなる、歪みやすくなる、摩擦に弱いなどのデメリットもあります
織機にはどんな種類があるの?
織物を織る機械のことを織機(しょっき)といいます
この織機には様々な種類のものがあり、それらは「手織機」「力織機」「特殊織機」の大きく3つに分類することができます
それぞれ解説していきます
手織機
手機機とは動力を用いずに人の手足のちからで操作する織機のことです
織機の起源はこの手織機であり、大昔から今日に至るまで長い年月の間使われています
手織機には「居坐機(いざりばた)」「高機(たかはた)」「厩機(うまやばた)」などの種類があります
現在では工業的につくられる織物が多く、手織機はその姿を見ることがあまりありませんが、一部の伝統工芸品などでは現在でも手織機にてつくられている場合もあります
力織機
力織機(りきしょっき)とは原動力として水力、上記力、電力を利用する織機のことをいいます
力織機を用いることで動力を供給し続けることで織物生産を無人化・省人化することが可能となります
また人力ではできないほどの高速稼働も可能となり生産性が飛躍的に向上します
これらのことにより、今日の織物生産では力織機が主流となっています
力織機には「シャトル織機」「ウォータージェット織機」「エアージェット織機」「レピア織機」「グリッパー織機」などの種類があります
これらにはそれぞれ特徴があり、出来上がる織物構造にも差異があるため、織物に応じて適切な力織機を選ぶ必要があります
特殊織機
特殊織機の代表例としては「円型織機」と「細幅織機」があります
円型織機とはその名の通り円型をした織機です
織機が円型であるために生地を筒状に織り上げることができます
この筒状の生地を切り開くことで幅の広い平面の生地をつくることが可能です
丸編機の織機版というところですね
細幅織機はテープ、リボン、ネームなどの細幅織物を織るための織機です
一般的な織物は1m程の幅がありますが、細幅織物は1〜10cm程の幅しかないため専用の織機が必要となります
ちなみに〜10cm程度を細幅、1m〜を広幅と分類することが多く、その中間に位置する数十cm程度のものを中巾と呼び着物の帯などに使用されます
まとめ
今回は織物について解説してきました
織物とはたて糸とよこ糸を交差させることでつくられる布のことです
長さ方向のたて糸と幅方向のよこ糸が織機によって互いに直角に上下に組み合わされて交差してつくられます
織物には編物と比べて「型崩れしにくく丈夫」「水や光の遮断性を高めやすい」「伸縮性が低くシワになりやすい」などの特徴があります
織物の基本的な織り方として「平織」「斜文織(綾織)」「朱子織」の3つが、これらを織物の「三原組織」といいます
織物の織り方には様々な種類がありますが、多くの織物はこの3種類、もしくはこの3種類から派生した織り方でつくられています
織機は「手織機」「力織機」「特殊織機」の大きく3つに分類することができます
現在ではその生産性の高さから「力織機」が主流となっています
単純に「織物」といっても、織り方や織機、それに加えて使用する繊維や糸を加えるとかなり多くの種類があるということをお分かりいただけたのではないでしょうか
織物には織物の良さがあり、一方で編物にはその良さもあります
どちらが優れているということではなく、それぞれの持ち味を活かして用途に応じて最適な方を選択することが大切です
「無い物ねだり」とならないように、それぞれの特性を理解して使い分ける必要があります
織物は衣類をはじめ、みなさんの生活に密接に関係しており、その存在なしには生活できない程です
ぜひ身の回りにある織物を探してみて、それを実感していただければと思います
ではまた!
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