どもどもTにぃです
みなさんリヨセルという繊維をご存知ですか?
「指定外繊維(リヨセル)」や「再生繊維(リヨセル)」と表記されているあのリヨセルです
リヨセルはレーヨンと同じ木材パルプを原料とした再生繊維に分類される繊維です
分類も原料も同じようなものですがリヨセルとレーヨンは異なる繊維であり、リヨセルにはレーヨンにはない特徴があります
レーヨンについてはこちらの記事も合わせてご覧ください
またリヨセルは天然由来の繊維であることや生分解性があることからサスティナブルの観点から注目されている繊維です
そしてリヨセルは衣類用として使用されている繊維ですので、とても身近な存在ですし探してみるとリヨセルを使用した衣類は結構見つかると思います
今回はそんなリヨセルについてお話していこうと思います
ぜひ最後までご覧ください
リヨセル(テンセル)とは?
リヨセルは主にユーカリから採取できる木材パルプを原料とした繊維です
再生繊維に分類される場合が多いですが、レーヨンとは違いセルロースをそのまま溶解して繊維にしているので厳密にいうと再生しているわけではありません
なので再生繊維ではなく「精製セルロース繊維」と分類される場合もあります
再生繊維に関しては下の記事で解説していますのでぜひご覧ください
またリヨセルは比較的新しい繊維です
1988年にイギリスのコートルズ社が試験生産したものが最初といわれています
なので歴史としてはまだ30年程ということですね
この新しさ故に日本に入って来たときには家庭用品品質表示法の使用用語にリヨセルの言葉はありませんでした
そのため表記としては「指定外繊維(リヨセル)」となっていました
またリヨセルという言葉には必ずといって良いほど「テンセル」という言葉も付いてきます
実は以前はリヨセル=テンセルでした
これは同じ繊維をオーストラリアのレンチング社が「リヨセル」の商標で、イギリスのコートルズ社が「テンセル」の商標で販売していたからです
現在ではその2社が合併をして、総称をリヨセルとして商標をテンセルとして販売しています
このような経緯がありリヨセルとテンセルは同じものとして捉えられている場合が多いです
しかし現在では厳密にいうとテンセルは商標となりますので注意が必要ですね
リヨセルという繊維のテンセルという名前の商品ということですね
リヨセル(テンセル)の特徴
【光沢感、ドレープ性】
リヨセルは美しい光沢感のある見た目が特徴です
また柔らかくソフトなタッチでありドレープ性もあります
その上質な見た目とソフトな風合いからレディースウエアやシーツなどに使用されます
【繊維方向の強度が高い】
繊維方向の強度、特に引張強度が強いことが特徴として挙げられます
さらに湿潤による強度低下が少ないことも特徴です
この部分は後ほどレーヨンと比較して解説します
【吸放湿性がありムレにくい】
吸放湿性がありムレにくく快適に着用できる部分も特徴です
衣類にとって快適に着用できるかは非常に重要な部分です
また静電気も比較的起きにくくこの部分も快適に着用できる要素となります
【フィブリル化しやすい】
フィブリル化とは繊維が縦方向(繊維方向)に細かく割れてしまうことです
このことによってフィブリル化した部分が白っぽく見えてしまう可能性があり外観に影響を与えてしまいます
このフィブリル化は湿潤状態で揉まれたりすることで発生しやすくなります
また乾燥状態でも摩擦にはそこまで強くなく毛羽立ちが発生する場合があります
なのでリヨセルはデリケートな繊維と認識するのが良いでしょう
フィブリル化については下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
リヨセルはデリケートな繊維であるため手洗いもしくは洗濯ネットに入れて優しく洗うことをおすすめします
レーヨンとの違いは?
【製造工程がエコ】
リヨセルは化学変成を経ないでセルロースを直接溶解して作られます
よってレーヨンに比べて多くの剤やエネルギーの必要とせず、工程全体が大幅に簡素化されています
なので製造工程がエコで環境に優しい繊維だといえます
【湿潤時の強度が高い】
レーヨンは湿潤時の強度が極端に低くなってしまいます
対してリヨセルは湿潤時でも強度の低下が少ない繊維です
湿潤時ではレーヨンの3倍の強度があるといわれています
【湿潤時の収縮が少ない】
リヨセルはレーヨンに比べると湿潤時の収縮が少ない繊維です
むしろ繊維全般で見ても収縮は少ない部類です
湿潤時の強度と収縮が耐洗濯性に大きな影響を与えます
レーヨンは水洗いを推奨できませんが、リヨセルは水洗い可能といえるのも納得ですね
【染まりにくい】
レーヨンは発色性が良い繊維ですが、それに比べるとリヨセルは若干染まりにくい繊維といえます
染まりにくく色抜けもしやすい部分があるため注意が必要です
特に濃色物では最初の数回は単独で洗うのが良いでしょう
まとめ
今回はリヨセルについて解説しました
その美しい見た目や柔らかい風合いであるにも関わらず、耐洗濯性もあり家庭でもお手入れできるのはすごく良い所だと思います
ただ合成繊維ほどは強度があったりする訳ではありませんので優しく扱う必要はあります
天然由来の原料であることや製造工程がエコであることから、サスティナブルの流れに合致する繊維だと思います
なので今後ますます注目を集めるのではないでしょうか
ニーズが高まるにつれてこれからも多くのアイテムに使われていくと思います
リヨセルを使用したアイテムがさらに身近なものになっていくかもしれませんね
ぜひ組成を確認していただき、リヨセルのアイテムを使用する際にはこの記事の内容を思い出していただければと思います
ではまた!
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