どもどもTにぃです
みなさんポリプロピレンをご存知でしょうか?
フィルムやカバー、容器などでポリプロピレンという言葉を見たことは皆さん一度はあると思います
プラスチックの中では国内生産量で第2位を誇るプラスチックなんです
そんなポリプロピレンですが、実は繊維としても使われていいるんです
ポリプロピレンは石油を原料とした化学繊維の一種です
ポリプロピレン繊維は不織布として使用されたりカーペット、マット類、寝具などに使用されます
しかしポリプロピレンは衣料用にはあまり使用されません
ポリプロピレンは衣料用繊維として素晴らしい特徴も致命的な特徴も両方持っている繊維なんです
今回はそんなポリプロピレンについて解説していきます
ぜひ最後までご覧ください
ポリプロピレンの特徴
ポリプロピレン(PP)繊維は非常に軽い繊維です
水に浮くくらい軽く、紡織繊維中では最も軽いと言われています
また吸湿性も極めて低いため、非常に乾くのが早い繊維といえます
乾きやすいというのは衣類において大切な要素です
軽くて乾きやすく強度があるということでここだけで考えるとスポーツウエアに非常に適した素材であると考えられますね
しかしポリプロピレンには衣類用として向かない特徴があります
それはうまく染色できないことです
染色できないということは生地色は白しか作ることができません
これは意匠性という点で可能性がかなり狭くなってしまいます
染められないのは衣類用の生地としては致命的ですね・・・
その他にも耐熱性、耐候性が低いという欠点もあります
なのでポリプロピレンは衣料用素材として適した特徴もあれば致命的な特徴もあり、素晴らしくもあり残念でもある繊維なのです
ポリプロピレン繊維の用途No.1は不織布
ポリプロピレン繊維は不織布として多く使用されています
不織布マスクはポリプロピレンの不織布がよく使用されています
これは安価で且つ大量に生産できるからです
使い捨ての不織布マスクは非常に安価で売られています
安価で売られているということは安価で生産できるものから作られているということですね
また安価に生産できるということはそれだけ効率よく大量に生産できる必要があります
そのような点で不織布マスクはポリプロピレンが使われているのでしょう
その他にも軽量であることと染色する必要がないということも理由として挙げられると思います
不織布マスクの組成なんて気にしたことがないという方は多いと思います
ぜひ一度確認していただければと思います
ポリプロピレン使用上の注意点
実はポリプロピレンは使用する上で注意していただきたいことがあります
それはタンブル乾燥などの長時間の高温処理によって発火する可能性があるということです
ポリプロピレン繊維中に添加された安定剤が洗濯などによって溶け出し、著しく酸化安定性が低くなってしまう場合があります
この状態で乾燥機内で高温状態で長時間さらされると、連続的に繊維が酸化し発熱が起こってしまいます
この発熱によって特に綿などのセルロース繊維が発火してしまうというわけです
セルロース繊維とは綿、麻、レーヨン、キュプラ、アセテートなどです
現在では日本化学繊維協会から安全指針が出されており、洗濯に使用する剤や混用する繊維の種類に制限が設けられています
なのでゼロではないですが、ポリプロピレンとセルロース繊維の混用素材は少なくなっていると思います
また発火の心配がないか試験も実施されており、その結果取り扱い絵表示でも洗濯、ドライクリーニング、漂白、タンブル乾燥などが可能な製品なのかを表示しています
非常に危険な事故になってしまいますので、取り扱う際には絵表示をしっかり確認した上で注意して扱うようにしてください
ポリプロピレン繊維の染色に関する研究が注目
衣料用繊維として素晴らしくもあり残念でもあるポリプロピレン
その染色できないというポリプロピレン最大の欠点を克服しようとする産学共同研究が注目されています
これは超臨界二酸化炭素染色と呼ばれる方法でポリプロピレンを染めることができる染料の開発研究のことです
有本化学工業、金沢工業大学、福井大学の3者にてこの研究がすすめられ、実際に染色が成功しているそうです
まだまだ安定的に量産できるわけではなく開発段階であるそうですが、研究が進むことによっていずれ量産可能になると思います
そうなるといよいよポリプロピレンが衣料用繊維としての活躍の場ができてくると思います
「速乾、軽量、高耐久なポリプロピレン100%スポーツウエア」
このような製品が世の中に出てくるのもそう遠くない未来かもしれませんね
まとめ
今回はポリプロピレンについてお話してきました
特にスポーツウエアとしては非常に魅力的な繊維であるポリプロピレン
その欠点を補うための研究も進んでいるので、今後ポリプロピレンは日の目を見ることになると思います
今はまだ衣料用としては身近な存在ではありませんが、これから先はその使用率がぐんぐん上がっていくかもしれません
今後ますます目が離せない繊維になっていくと思いますので、注視していきたいと思います
ではまた!
コメント
今日は
PPの特性を利用して、ベア天竺を作成し特許を取得しました
特にウエットスーツなどの生地はネオプレーンにナイロンをラミネートした物が主流となっています
近年は裏地にポリエステルを起毛してラミネートして使用しています
サステナブルな観点からはナイロン・ポリエステルよりもPPがより地球環境にやさしい素材だと持っています
PPはナイロンに比べてCO2排出量はどれほど少ないのでしょうか?
ウエットスーツ1着に使用する生地重量は約500gです