裏地とは?裏地の目的や使用される素材について解説

裏地 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・裏地とは?
・裏地を使用する目的は?
・裏地に使用される素材は?
・裏地に付与する機能性にはどんなものがあるの?

どもどもTにぃです

みなさん「裏地」をご存知でしょうか?
って圧倒的にご存知の人が多いですよねw

裏地とはみなさんご存知の通り、衣服などで表地の裏側に使用されている生地のことです

この裏地何のために使われているかご存知でしょうか?

裏側に使用されているため目立つことが少ない裏地ですが、実は衣服を快適に綺麗に着用するためにとても重要な役割を果たしているものなのです

また裏地には様々な種類があり、使われる繊維も数多くあります

今回はそんな裏地について解説していこうと思います

この記事を読むことで、裏地とは、裏地を使用する目的、裏地に使用される繊維、裏地に付与する機能性についてお分かりいただけ、裏地についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

   

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裏地とは?

裏地

・裏側に用いる生地の総称
・ライニング、ライナーとも呼ぶ
・着心地、形態、外観改善を目的
・長繊維製品が多い
・機能性付与したものも多い

裏地とは衣服や帽子、袋物などの裏側に用いる生地の総称です

ライニング、ライナーと呼ばれる場合もあります

着脱時の滑りや保温性などの「着心地」、表地の補強やシルエットなどの「形態」、透け防止や色彩効果などの「外観」、これらの改善を目的として、表地のみで縫製した衣服の欠点を補うために裏地は用いられます

対象衣服や使用目的に適した比較的薄地で滑りの良いものが用いられ、長繊維製品が多い傾向となっています

制電性、ストレッチ性、抗菌防臭性などの要求性能に応じた機能性を付与した裏地が多くなってきています
加えて紋織物や捺染柄などの隠れた部分のおしゃれとして用いられるものもあります

   

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裏地を使用する目的は?

裏地の目的

・着用快適性向上
・形態安定性向上
・外観改善   など

裏地を使用する目的は、表地のみで縫製した衣服の欠点を補うためで、「着用快適性」「形態安定性」「外観改善」などの機能を付与することとされています

   

着用快適性

裏地には着心地を改善する機能があります

滑りを良くして着脱しやすくすることにより着心地を改善します

さらに肌触りを良くする効果および耐摩耗性の向上効果も得られます

また吸湿性に優れた裏地を選ぶことによって、汗の影響を防ぎ、快適性も含めた着心地改善も期待できます

加えて、通気性の小さい裏地を選ぶことによって、保温効果をもたせることも可能となります

そして静電気発生を防ぐことによって、まとわりつき、パチパチ音を防止できます

   

形態安定性

裏地には形態安定性(保形性)を改善する機能もあります

表地の形態安定性を補い、型崩れを防ぐ役割を果たします

また表地との滑りを良くし、シルエットを整える効果も期待できます

   

外観改善

裏地には外観を改善する機能もあります

裏地に紋織物や捺染柄のような意匠性の高い生地を用いて、デザイン効果を高め付加価値を与える役割を果たす場合があります

また表地の透けを防止する、裏側の外観を整えるなどの効果も期待できます

   

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裏地に使用される素材は?

裏地に用いられる繊維

・天然繊維
・再生繊維
・半合成繊維
・合成繊維  など

裏地に用いられる繊維素材としては「天然繊維」「再生繊維」「半合成繊維」「合成繊維」などがあります

それぞれ解説していきます

   

天然繊維

裏地に使用される天然繊維としては「綿」「毛」「絹」などがあります

【綿】
天然繊維の中では比較的多く用いられる
腰裏、袋布(スレーキ)での用途が多い傾向

【毛】
アルパカ繊維が紳士服の胴裏として使用されることがある

【絹】
独特の光沢と優雅な風合いが特徴
和装用や最高級婦人服などの高価格帯製品の裏地に使用される

天然繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

   

再生繊維

裏地に使用される再生繊維としては「キュプラ」「レーヨン」などが挙げられます

【キュプラ】
吸湿性、制電性に優れ、滑りや手触りが良く、しなやかな風合いで幅広い製品で使用される

【レーヨン】
滑りが良く、ハリコシがある
糸断面が菊花上で光沢感に優れ、風合い面でキュプラと異なる触感を有する

再生繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

   

半合成繊維

裏地に使用される半合成繊維としては「アセテート」が挙げられます

【アセテート】
光沢、色の鮮明度が良く、軽量でしなやかな点が特徴
半面静電気が比較的発生しやすく摩耗強強度や滑り性に劣る傾向がある

半合成繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

   

合成繊維

裏地に使用される合成繊維としては「ポリエステル」「ナイロン」などが挙げられます

【ポリエステル】
吸湿性、制電性に劣るが、強度、ウォッシュ&ウエア性、耐摩耗性にすぐれており、婦人服~紳士服まで幅広い製品や用途に使用される

【ナイロン】
強度が高く、防しわ性、耐久性に優れる
ポケット裏に使用される

合成繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

   

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裏地に付与する機能性にはどんなものがあるの?

裏地に付与する機能性

・制電性
・ストレッチ性
・清涼性
・ウォッシャブル性
・防透け性
・保温性
・抗菌防臭性  など

キュプラやポリエステルを使用した裏地では機能性を付与させたものも多く流通しています

その機能性の一例として「制電性」「ストレッチ性」「清涼性」「ウォッシャブル性」「防透け性」「保温性」「抗菌防臭性」などが挙げられます

それぞれの機能性を付与する方法をそれぞれ解説します

【制電性】
衣類着脱時の静電気防止を目的に付与
親水性ポリマーを繊維に練り込んだ特殊糸使用、後加工

【ストレッチ性】
着用感向上や縫い目滑脱対策として付与
加工糸使用、PTT繊維糸使用、ポリウレタン混用

【清涼性】
蒸れを防ぎ快適な着用を目的に付与
フィラメント糸使い、強撚糸、吸水速乾、接触冷感加工

【ウォッシャブル性】
家庭での取扱を容易にすることを目的に付与
後加工を施し防しわ性や防縮性をもたせる

【防透け性】
透け防止として主にレディース向けアイテムに用いる
酸化チタンを練り込みフルダル糸として使用

【保温性】
主に秋冬物の重衣料にて保温性を高め快適な着用を目的に付与
短繊維使い、軽度の起毛加工、中空糸使い

【抗菌防臭性】
繰り返しの着用によるにおいの発生を防ぐことを目的に付与
後加工を施して抗菌防臭性をもたせる場合が多い

   

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まとめ

まとめ

・裏地は裏側に用いる生地の総称
・着心地、形態、外観改善を目的
・綿、絹、キュプラ、ポリエステルなどを使用
・機能性付与したものも多い

今回は裏地について解説してきました

裏地とは衣服や帽子、袋物などの裏側に用いる生地の総称です

裏地を使用する目的は、表地のみで縫製した衣服の欠点を補うためで、「着用快適性」「形態安定性」「外観改善」などの機能を付与することとされています

裏地に使用される繊維としては、綿や絹などの「天然繊維」、レーヨンやキュプラなどの「再生繊維」、アセテートなどの「半合成繊維」、ポリエステルなどの「合成繊維」が挙げられます

裏地には「制電性」「ストレッチ性」「清涼性」「ウォッシャブル性」「防透け性」「保温性」「抗菌防臭性」などの機能性が付与されたものが多くなっています

衣服の中でも裏地は普段なかなか注目されることが少ない部材かもしれませんが、実は快適な着用を実現するための縁の下の力持ちになっていることをお分かりいただけたと思います

もちろん裏地にも高級なものから安価なものまで様々な種類がありますが、どの裏地も製品を構成する上で非常に重要な役割を果たしていることに変わりはありません

今後はぜひ裏地にも注目していただき、その違いも実感していただければと思います

ではまた!

   

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