どもどもTにぃです
みなさん「透湿性」という言葉をご存知でしょうか?
透湿性とはその名の通りで湿気を通す性質のことです
この透湿性、実は衣服を快適に着用すること関して非常に重要な性質なのです
また「透湿」という言葉を含む性能で「透湿防水」という性能もあります
これは「透湿性」と「防水性」という一見相反するような性能を併せ持つ性能のことです
特定の用途では非常に重宝される性能で、様々な方法によってこの「透湿防水」を付与することができます
今回はそんな透湿性について解説していこうと思います
この記事を読むことで、透湿性とは、透湿防水、透湿防水加工についてお分かりいただけ、透湿性についての理解が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
透湿性とは?
透湿性とは生地が水蒸気を透過させる性能のことです
透湿性がある場合は大きく2パターンに分けられます
1つめは生地の片側に水分が吸着または付着して反対側から蒸発する場合です
これは親水性繊維や吸水性のある繊維を使用した生地で見られます
親水性繊維については下の生地で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
そして2つめは生地の隙間から水蒸気が直接通過する場合です
これはニットなど粗い組織の生地で見られます
透湿性は衣服の生理的衛生的な着心地に大きい影響を及ぼすものであり、透湿性がない生地を用いた衣服は着用すると蒸し暑さを感じ不快な状態となってしまいます
衣服などの繊維製品において透湿性は非常に重要な性能ですが、それに合わせて防水性を求められる用途もあります
その両方を併せ持った「透湿防水性能」というものもあり、特定の用途で重宝される性能となっています
透湿防水とは?
透湿防水とは透湿性と防水性を併せ持つ性能のことです
つまり「水蒸気は通過させるが水滴は通過させない」性能ということです
防水に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
透湿防水性能を必要とする用途としてはレインウエアやスキーウエアのようなスポーツウエアなどが挙げられます
レインウエアやスキーウエアはその用途通りで防水性が必要となりますが、吸湿性がないと蒸れてしまいます
その対策として吸湿性も併せ持つことで高い防水性がありながらも、蒸れにくく快適に着用することが可能となります
透湿防水の原理としては簡単にいうと「水滴よりも小さく水蒸気よりも大きい孔を持たせる」ということになります
雨滴(100μm)よりも小さく水蒸気分子(0.004μm径)よりも大きい0.2〜3μ径の孔が無数にあいている層で被覆することで透湿防水性能を付与します
フィルムラミネート加工やコーティング加工などを施すことでこの表面被覆をもたらし透湿防水を発現させます
透湿防水加工にはどんな種類があるの?
透湿防水加工は主にラミネート加工とコーティング加工があります
またそれに加えて高密度織物に撥水加工を施す場合もあります
それぞれ解説していきます
ラミネート
ポリウレタンなどの多孔質フィルムを貼り合わせる方法
透湿性、防水耐久性に優れ、且つ防風性も兼ね備える素材となります
ただしフィルムが貼り合わせられることで風合いは硬くなる傾向にあります
コーティング
ポリウレタン系樹脂などをコーティングする方法
コーティング層から部分抽出することで多孔質膜を直接生地に形成させます
性能面ではラミネートしたものと比較すると若干劣る傾向ではありますが、風合いは良好
溶剤フリーの水溶性ポリウレタン樹脂を使用した環境配慮型のものもあります
高密度織物+撥水加工
超高密度織物に高度の撥水加工を施す方法
極細繊維を使用してより隙間をなくす仕様のものもあります
ラミネートやコーティングによるものと比較して、防水性のレベルは低いですが、透湿性は高く生地の風合いを損ねることもほぼありません
織物に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
まとめ
今回は透湿性と透湿防水に関して解説してきました
透湿性とは生地が水蒸気を透過させる性能のことです
透湿性は衣服の生理的衛生的な着心地に大きい影響を及ぼすものであり、透湿性がない生地を用いた衣服は着用すると蒸し暑さを感じ不快な状態となってしまいます
透湿防水とは透湿性と防水性を併せ持つ性能のことです
つまり「水蒸気は通過させるが水滴は通過させない」性能ということです
透湿防水加工には「ラミネート加工」「コーティング加工」「高密度織物+撥水加工」があります
ラミネートは性能に優れるが風合いが硬くなる、コーティングは性能や風合いがまずまず、高密度織物+撥水は性能はイマイチだが風合いは損ねないのが特徴です
透湿性と聞くと「それって必要?」と思われる人もいるかもしれませんが、この記事を読むことで衣類を快適に着用するために必要不可欠な性能だということをお分かりいただけると思います
また「透湿」と「防水」という一見相反する性能のように思われる2つですが、実は併せ持つことが可能であることに驚かれた人もいるのではないでしょうか
透湿防水のように少しでも快適に衣服を着用できるよう繊維製品に関する技術は日々進歩しています
今後も私達の生活をより快適にする技術が続々と生まれてくると思いますので、引き続き注目していきましょうね
ではまた!
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