どもどもTにぃです
「PTT繊維」という繊維をご存知でしょうか?
PTT繊維はポリエステルの一種であり、優れた伸縮性が特徴の繊維です
ストレッチ素材に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
伸縮性に優れる繊維としてはポリウレタン繊維が思い浮かびますが、PTT繊維はポリウレタン繊維とは異なる特徴を持つ繊維であり、用途に応じてはポリウレタン繊維の代替品として期待されている繊維です
今回はそんなPTT繊維について解説していこうと思います
この記事を読むことで、PTT繊維とは、その特徴や用途についてお分かりいただけ、PTT繊維についての理解が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
PTT繊維とは?
正式名称はポリトリメチレンテレフタレート繊維といい、分子構造内にエステル結合を有するポリエステルの一種です
ポリエステルに関しては下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください
PTT繊維はテレフタル酸とトリメチレングリコールからポリマーを合成し溶融紡糸によってつくられ、優れた伸縮性が特徴の繊維です
同じく伸縮性に優れる繊維としてポリウレタン繊維がありますが、ポリウレタン繊維は弱点が多く劣化しやすい点が大きな欠点といえます
一方PTT繊維は弱点も少なく比較的劣化しにくいため、用途によってはポリウレタン繊維の代替品として期待されています
またPTT繊維はその一部に植物由来の原料を使用しているものもあり、環境配慮型のものもあります
PTT繊維の原料となるトリメチレングリコールをトウモロコシから精製する方法が確立されており、そこからつくられるPTT繊維は部分植物由来の環境配慮型繊維とされる場合があります
PTT繊維にはどんな特徴があるの?
PTT繊維の特徴として「伸縮性」「熱セット性」「耐光性」「低温染色可能」などが挙げられます
それぞれの特徴について簡単に解説していきます
【伸縮性】
低い応力で伸び、且つ回復力が優れる特徴を持つ
【熱セット性】
形態安定性に優れ、シワの発生や型崩れ、洗濯による寸法変化などが生じにくい
ガラス転移点51℃、融点230℃であり、熱的特性も衣料用繊維としてバランスが取れている
【耐光性】
耐候性はPET繊維に匹敵し、比較的良好
ナイロンよりも優れ、ポリウレタンのように紫外線に弱くもない
【低温染色可能】
染色温度は110~120℃が最適とされているが、98℃でも美しく染まる
PET繊維よりも染色温度が低くその分エネルギー削減につながる
PTT繊維は何に使われるの?
PTT繊維は単独あるいは他素材と複合して伸縮性を活かした衣料用途を中心に展開されています
衣料用途ではスポーツウエアやカジュアルウエア、近年では着用感の良さを活かしたビジネススーツなどにも使用される場合があります
また短繊維としてはそのソフトな風合いと柔軟さ、シワのつきにくさを活かしてクッションの中綿としても活用されています
また海外ではカーペットなどのインテリア用途にも使用される場合もあります
PTT繊維の汎用性の高さが伺えますね
まとめ
今回はPTT繊維について解説してきました
PTT繊維はポリトリメチレンテレフタレート繊維が正式名称で、分子構造内にエステル結合を有するポリエステルの一種であり、優れた伸縮性が特徴の繊維です
伸縮性以外にも優れた熱セット性、良好な耐光性、PET繊維よりも低温で染色可能という特徴があります
衣類用途ではスポーツウエア、カジュアルウエア、スーツなど幅広いアイテムで使用されており、それ以外でもクッションの中綿やカーペットなどのインテリア用途でも活躍しています
PTT繊維は1990年代に原料となるトリメチレングリコールの安価な製法が確立されて開発が活発化した比較的新しい部類の繊維です
しかしその性能の高さゆえに多くのアイテムに使用されており、今後もますますその用途開発が進んでいくと思います
有名なところで「ソロテックス」「T400」などにPTT繊維は使用されていますので、これらの表記を見た際にはぜひその製品を確認してみてください
ではまた!
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