どもどもTにぃです
皆さん「ウーリー糸」という糸をご存じでしょうか?
ウーリー糸とは毛糸のようなふくらみと伸縮性を持った糸のことです
一般的にはあまり聞き馴染みの無い言葉かもしれませんが、手芸をされる人であれば聞いたことがあるかもしれませんね
また繊維業界の人であれば仮撚加工糸といえばピンとくる人も多いと思います
ウーリー糸は聞き馴染みが無いだけで、実は多くの繊維製品に使用されている糸であり、衣料全般で使われている非常にメジャーな糸なのです
今回はそんなウーリー糸について解説していこうと思います
この記事を読むことで、ウーリー糸とは、ウーリー糸の特徴、ウーリー糸の用途についてお分かりいただけ、ウーリー糸についての理解が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
ウーリー糸とは?
ウーリー糸とはソフトでふくらみがあり伸縮性を持った長繊維糸のことです
毛糸を思い浮かべてもらうとイメージしやすいと思います
このウーリー糸は長繊維糸にウーリー加工(仮撚り加工)を施すことでつくられます
つまり紡糸したままの長繊維糸ではこのような特性が無く、加工を施すことでウーリー糸としての特徴を付与します
仮撚り加工は繊維業界では非常に有名な糸の加工方法です
能率的で品質にも優れた加工方法として長繊維糸の加工法の中で最も多く利用されています
ちなみにウーリーはその名の通りでウールのような外観、風合い(wooly)であることを指しています
またウーリー糸は「加工糸」「仮撚り糸」「DTY(Draw Textured Yarn)」と呼ばれる場合もあります
長繊維糸に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
ウーリー加工(仮撚り加工)とは?
ウーリー糸にするためのウーリー加工は現在では生産性や品質の安定性などの面から、仮撚り加工法によるものが最も多いとされています
その仮撚り加工は①加撚②熱固定③解撚の主に3つの工程からなります
この3つの工程を連続した1プロセスで行うのが仮撚り加工です
それぞれの工程を簡単に説明していきます
①加撚
撚糸工程のように糸をねじることで撚りをかけていきます
②熱固定
熱をかけることで糸に加えた撚りを固定させます
パーマのようにクセをつけるイメージです
③解撚
加撚方向と逆方向に撚りをかけることで糸の撚りを解除します
糸が熱固定された状態に戻ろうとして捲縮(クリンプ)が生じることでかさ高性や伸縮性が発現するようになります
この後更にヒーターで熱処理し旋回性(トルク)を減少させ取り扱いしやすくさせる場合もあります
ウーリー糸の特徴は?
ウーリー糸の大きな特徴は「かさ高」と「伸縮性」です
ウーリー加工を施すことで毛糸のようなふんわりと柔らかく伸縮性のある糸になります
ウーリー加工を施していない糸はふくらみが無く細いため、出来上がる生地も薄い生地になります
一方ウーリー糸を使用すれば糸自体にふくらみがあるため、ボリューム感のあるソフトな生地をつくることができます
またふくらみがあることで空気を多く含むため、軽量、弾力性、保温性などの効果も期待することができます
ウーリー糸は何に使われるの?
ウーリー加工は長繊維糸の加工法で最も多く利用されています
そのためウーリー糸は幅広い用途で使用されています
ウーリー糸の用途を簡単に説明していきます
【衣料全般】
糸の用途の大半を占める衣料用途でウーリー糸は活躍しています
紳士服、婦人服、ニット衣類、スポーツシャツ、靴下、タイツ、肌着など衣類全般で使用されています
特にボリューム感、ふんわり感、伸縮性が求められるニット製品の糸としてウーリー糸が適していると言えます
【ミシン糸、ロック糸】
ニット生地などの伸縮性のある製品を縫製、ロックする際の糸としてもウーリー糸は利用されます
伸縮性のある生地に対しては伸縮性のある縫い糸の方が追従し相性が良いためです
ミシン糸やロック糸の場合はウーリーナイロン糸が使用される場合が多いです
【資材関連】
お店で使用されるのぼり旗にはポンジーという生地がよく使用されます
ポンジーはポリエステルのウーリー糸を使用した平織の生地のことです
ポンジーは非常に単純なつくりの安価な生地のため、インクジェット印刷用生地などの資材用途として活用されています
まとめ
今回はウーリー糸について解説してきました
ウーリー糸とはソフトでふくらみがあり伸縮性を持った長繊維糸のことです
ウーリー糸はかさ高、柔軟、伸縮性、空気を多く含むなどの特徴があります
ウーリー糸は衣料全般、ミシン糸、ロック糸、資材関連など幅広い分野で利用されています
ウーリー加工は長繊維糸の加工法として最も多く利用されるものであり、そこからつくられるウーリー糸はそれだけ多くの製品に使われており、広く普及した糸ということになります
「ウーリー糸」という言葉に聞き馴染みが無いだけで、実はウーリー糸を使用した繊維製品は私たちの周りに多く存在しています
この機会にウーリー糸についてぜひ学んでもらえればと思います
ではまた!
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