どもどもTにぃです
みなさんモダクリル繊維って聞いたことはありますか?
おそらく多くの方はモダクリル繊維と聞いてもピンと来ないのではないかと思います
2021年までは家庭用品品質表示法の指定用語に「モダクリル」はありませんでした
なのでそのときまではどの繊維製品を探しても品質表示ラベルに「モダクリル」と書いてあるものは無かったと思います
しかし2022年から告示された指定用語改定によって「モダクリル」の表示が必要となります
それにより2022年以降は「モダクリル」の表示を目にすることが出てくると思われます
実はモダクリル繊維は新しい繊維の種類ではなく、今でも使用されているある繊維の別称です
モダクリル繊維は身近な繊維製品にも使用されているものなので、きっと皆さん一度は目にするのではないでしょうか
ということで今回はモダクリル繊維について解説していこうと思います
初めて見たときに「モダクリルってなに?」とならないためにも、この記事を読んで勉強していってください
ぜひ最後までご覧ください
モダクリル繊維とは
モダクリル繊維とはアクリロニトリルを主成分とし塩化ビニルなどを共重合(混ぜたという認識でOK)ものからなる繊維のうち、重量比でアクリロニトリルが85%未満のもののことです
実は以前にこれと同じ説明をしたことがあります
それは「アクリル繊維とアクリル系繊維の違い」の中でです
そうなんです、実はモダクリル繊維とはアクリル系繊維のことなのです
現在の指定用語では「モダクリル」は無く、「アクリル系」として表示しなければいけないとされているためアクリル系繊維としてこれまで説明してきました
しかし日本の「アクリル系繊維」に相当するものはISO(国際標準化機構)の定める規格では「モダクリル繊維」として定められており、世界的にはモダクリルが一般でした
そして今回の指定用語改正にと伴ってモダクリルの表示が必要になるということで改めてモダクリルとして解説しているということなのです
今回はモダクリル繊維にスポットを当てて特徴や用途について解説していきます
モダクリル繊維の特徴
モダクリル繊維の一番の特徴は難燃性です
これは難燃性に優れた塩化ビニルが一定以上の割合で含まれているからです
難燃性を付与するには生地の状態で薬剤をつけて燃えにくくするのが一般的です
しかしモダクリル繊維は最初から燃えにくいものが含まれているため繊維そのものが燃えにくくなっているのです
またモダクリル繊維には柔軟性があるという特徴もあります
繊維が柔らかく触感が良いということです
よく手に触れるようなものや肌に触れるようなものにも使用するのが適しているということになりますね
また耐薬品性や耐溶剤性もあることから特定の状況下ではありますが耐久性にも優れるということもいえるでしょう
アクリル繊維比較しても力学的性質は大きく変わらないとされていますし、モダクリル繊維も一定の保温性も有しています
ただし軟化点はモダクリル繊維の方が低いとされ、染色性も若干劣るとされています
モダクリル繊維の用途
モダクリル繊維はその難燃性という強みを活かして、カーテンやカーペットなどのような建築物の内装材に利用されています
これらは法律で定められた防炎基準がある製品が多く、そこに住む人や利用する人の安全に関わるものです
その基準をクリアして安心安全に利用できるようにするためにモダクリル繊維のような難燃性繊維が使用されます
また難燃性だけでなく保温性も活かして毛布やフェイクファー(人工毛皮)などにも使用されるケースが多いです
モダクリル繊維は一般衣料として使用されることは少ないですが、私達の生活の中で身近に使用されている繊維であることが分かると思います
「アクリル系」は「モダクリル」に変更
家庭用品品質表示法の指定用語改正によって「アクリル系」が「モダクリル」に変更されています
この繊維を使用している製品については2022年以降出荷分から「モダクリル」と表示する必要があります
この改正はそもそもJIS(にほん産業規格)の改正で「アクリル系」を「モダクリル」に変更したことを受けたものとされています
今回の改正は2022年1月1日に告示されますが1年間の猶予期間が設けられるとのことですので、2022年出荷分に限っては「アクリル系」の表示でも問題無いということになります
また2021年までに出荷している製品にについては付け替える必要はないようです
今後は「モダクリル」の表示となりますので、しっかりと覚えておいてくださいね
まとめ
今回はモダクリル繊維について解説してきました
モダクリルは実は世界では一般的であり、世界基準に日本も合わせていくということで今回の改正に至ったということでした
2017年の洗濯表示の変更も同じような経緯でした
日本特有のマークを廃止しISO規格で定められている世界共通のマークを使用していきましょうということだったのです
新しい洗濯マークに関しては下の記事で解説していますので気になる方はぜひご覧ください
たしかに日本特有の名前や表示方法では外国の方は意味を理解できずに困ってしまいますよね
特に日本のような先進国は率先してそのような部分に取り組み、世界共通の認識を広めていく必要があると思います
おそらくこれからもそのような形で変更されていく部分があると思います
情報をいち早くキャッチして、正しく理解して適応していく必要がありますね
これからも繊維製品に関するお役立ち情報を発信していきますので、ぜひご覧くださいね
ではまた!
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