どもどもTにぃです
繊維製品における「黄変」という言葉をご存知でしょうか?
黄変とは読んで字の如く、黄色に変色してしまう現象のことです
白いTシャツが黄ばんでしまったという経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか
まさしくその黄ばみが黄変の一つと考えられます
黄変は何か特別なことをするでもなく、普段通り衣類を使用しているだけでも発生してしまう可能性がある現象です
ただしその発生原因は存在するため、知識を持っていれば対策を講じることは可能となります
今回はそんな黄変について解説していこうと思います
この記事を読むことで、黄変とは、その原因と対策についてお分かりいただけ、黄変についての理解が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
黄変とは?
黄変とは使用中や保管中に生地が黄色に変色してしまう現象のことです
経時変化による場合もありますが、基本的には紫外線や汚れなど外的要因によって発生する場合が多いとされています
黄色の変色ということもあり白や淡色の場合に発生しやく変色の影響を受けやすいとされています
また黄変は特定の繊維でのみ発生するものではなく、天然繊維から化学繊維まで幅広い繊維で発生する可能性がある特徴があります
天然繊維と化学繊維については解説した記事がありますので、ぜひ合わせてご覧ください
黄変の原因と対策
黄変は様々な原因によって発生してしまいます
原因の代表例としては「経時変化」「紫外線」「汗皮脂汚れ」「窒素酸化物」「塩素漂白剤」などが挙げられます
それぞれの原因とその対策法について解説していきます
経時変化
羊毛などは経時変化によって黄変してしまう可能性があります
羊毛製品は年月の経過により、たんぱく質が酸化して黄変してしまう性質があるためです
また還元漂白、酸化漂白、蛍光増白剤によって漂白されたものが経年によって元の生成りの色に戻ってしまう場合もあります
この羊毛の経時変化による黄変を防ぐことは難しいため、純白は避けてクリーム色など黄変が目立ちにくい製品にする対策が考えられます
羊毛に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
紫外線
羊毛や絹などの動物繊維やナイロン、ポリウレタンなどは紫外線の影響で黄変してしまいます
紫外線に長時間曝されるほど、黄変してしまうリスクは高くなります
紫外線対策としては洗濯後の自然乾燥を陰干しにすることが有効的だと思います
陰干しについては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
汗皮脂汚れ
汗や皮脂汚れは洗濯しても完全に落ち切らない場合があり、それらが保管中に変質して黄変につながってしまう場合があります
また汗に加えて日光が複合されることによる酸化作用で黄変してしまう場合もあります
この場合は長期間の保管前には念入りに洗濯する、汗をかいた状態で長時間外で活動する場合には途中で着替えるなどの対策が考えられます
窒素酸化物
窒素酸化物(NOx)は燃焼時に発生する酸化性のガスのことです
車の排気ガスやストーブの燃焼によって排出されることがあり、身近な場面で発生する可能性があるものです
この窒素酸化物の影響でナイロンが黄変してしまうことがあります
また包装フィルムや滑り止めピンチなどの合成樹脂に添加される酸化防止剤と反応することで黄変につながる場合もあります
この対策としては車通りの多い場所での自然乾燥やストーブの近くでの保管などを避けることが挙げられます
塩素漂白剤
衣類を白くさせる目的で使用される塩素漂白剤が原因で黄変してしまう場合もあります
シャツの襟や袖部分には形態を安定させるために芯地といわれるものが使われることがあります
その芯地の樹脂成分が塩素漂白剤の影響によって黄変してしまい、これが白地を通して黄色く見えてしまうということがあります
この対策としては塩素漂白剤の使用を避ける、またやむを得ず塩素漂白剤を使用する場合には過剰な使用を避けるなどが挙げられます
塩素漂白剤に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
まとめ
今回は黄変について解説してきました
黄変とは使用中や保管中に生地が黄色に変色してしまう現象のことです
経時変化による場合もありますが、基本的には紫外線や汚れなど外的要因によって発生する場合が多いとされています
羊毛などは経時変化によって黄変してしまう可能性があるため、純白は避けてクリーム色などの製品にするのが良いです
動物繊維やナイロン、ポリウレタンは紫外線によって黄変してしまう可能性があるため、自然乾燥は陰干しで行うことをおすすめします
汗や皮脂汚れが黄変につながってしまう場合もありますので、保管前には念入りに洗濯する、屋外で着用する際はこまめに着替えるのが良いでしょう
窒素酸化物の影響によって黄変してしまう可能性もあるため、車通りの多いところでの自然乾燥やストーブの近くでの保管は避けることをおすすめします
塩素漂白剤が芯地の樹脂成分と反応して黄変してしまう場合もあるため、塩素漂白剤を使用する際は過度な量の使用は避けた方が良いです
黄変は比較的身近なものが原因で起こりやすい現象のため、誰でも経験する可能性があります
しかし正しい知識を持っていることで、その発生を未然に防ぐことが可能であると思います
今回は使用側の視点からの対策を主に書きましたが、もちろん製品の企画しだいで黄変を防ぐことも可能です
多くの人が正しい知識を持つことで、不慮の事故を防ぐことができ、その分製品を長く使用し続けられるようになります
これからも一緒に繊維について学んでいきましょうね
ではまた!
コメント
Tにぃさん
いつもお世話になっております^^
お洋服の黄変はできる限り回避したいですね。
黄変の原因と対策を知ってもらうため、
この記事のリンクを、以下の記事に掲載させていただきました。
1人でも多くの人に知ってもらえるといいですね(・∀・)/
https://roadofstyle.com/2022/04/12/zoutman/