どもどもTにぃです
「捺染(なせん、なっせん)」という言葉をご存知でしょうか?
捺染とは簡単にいうと印刷することです
ただ印刷するといっても、インクを塗布し着色することで模様を出すだけでなく、脱色したり、染まることを防ぐことによって模様を出す方法もあります
また手工的な方式や機械によって自動、半自動で捺染する方式もあり、捺染の種類は多岐に渡ります
今回はそんな捺染について解説していこうと思います
この記事を読むことで、捺染とは、捺染技法、捺染方式についてお分かりいただけ、捺染についての理解が深まると思います
ぜひ最後までご覧ください
捺染とは?
捺染とは繊維、糸、生地などに各種の色合いを持つ模様を付けることです
つまり身近な言葉でいうと「印刷」や「プリント」ということです
捺染は広義では染色に含まれますが、通例、染色は染色物を均一に染める「浸染」を指し、模様染めは「捺染」として区別する場合が多いです
染色に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
捺染は染料、顔料などの着色剤や防染剤、抜染剤などの溶液(インク)にそれを繊維に定着させる糊料を加えて捺染糊をつくり、これによって被捺染物を部分的に着色または脱色させます
捺染の方式には手工的な「手捺染」と各種の捺染機を用いて自動もしくは半自動で行う「機械捺染」の2種類あります
さらにこれら2種類の中でも捺染方法や使用する機械に応じて細かな種類に分類されます
捺染にはどんな技法があるの?
捺染には大きく分けて「直接捺染」「抜染」「防染」の3種類の技法があります
それぞれ解説していきます
直接捺染
直接捺染とは模様の部分に色糊を直接印捺する技法です
染料、顔料などの色材と助剤を含む捺染糊を捺染物に印捺してスチーミング、ベーキングなどで発色させ、繊維に固着させます
捺染技法の中では最も単純で簡単な技法であり、一般的に印刷と聞いてイメージするのがこの直接捺染だと思います
抜染
抜染とはあらかじめ着色していた部分を脱色することで模様を出す技法です
捺染物を先に浸染で地染めしておき、模様の部分に抜染剤を含む抜染糊を印捺しスチーミングすることで、地染めした部分お染料を分解して脱色します
地染めには抜染剤で分解されて脱色する性質をもつ可抜染料が用いられます
抜染に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
防染
防染とは地染め染料の染着を防ぐことで模様を出す技法です
捺染物に染料の染着を妨げるような防染剤を先に印捺し、防染部分への染着を妨げながら浸染にて地染め染料を染着させます
防染法には糊層で防染する物理防染と、酸化剤や還元剤を加えて行う化学防染があります
防染に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
捺染にはどんな方式があるの?
捺染には手作業で行われる「手捺染」と機械で自動的、半自動的に行われる「機械捺染」があります
それぞれ解説していきます
手捺染
手工的な捺染方法の総称を手捺染といいます
代表的な手捺染として、手捺染台に張った生地に彫刻されたスクリーン型を置いて手で刷る「ハンドスクリーン捺染」があります
その他にも手描き友禅などの筆や刷毛で模様を手で書く「手描き捺染」、模様を表した型紙や金属板などに生地を当て、その上からへらや刷毛で色糊を塗布する型紙捺染などもあります
ハンドスクリーン捺染に関しては、解説した動画がありますので、合わせてご覧ください
機械捺染
機械を用いて自動的、半自動的に印捺する方法の総称を機械捺染といいます
日本で初めて使用された「ローラー捺染」をはじめ、フラットやロータリーなどの種類がある「スクリーン捺染」などがあります
ローラー捺染に関しては、下の動画も合わせてご覧ください
また版を必要とせず小回りがきく捺染方法としてインクジェット捺染もあります
さらに紙やフィルムなどの支持体に模様を印捺し、その支持体と生地を重ね合わせた上で熱と圧を加えることで模様を生地へと転移させる「転写捺染」もあり、スポーツチームユニフォームでよく使用される昇華転写は無製版での捺染が可能となっています
昇華転写に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください
まとめ
今回は捺染について解説してきました
捺染とは繊維、糸、生地などに各種の色合いを持つ模様を付けることです
つまり身近な言葉でいうと「印刷」や「プリント」ということです
捺染には模様の部分に色糊を直接印捺する「直接捺染」、あらかじめ着色していた部分を脱色することで模様を出す「抜染」、地染め染料の染着を防ぐことで模様を出す「防染」の3種類の技法があります
捺染には手作業で行われる「手捺染」と機械で自動的、半自動的に行われる「機械捺染」があります
手捺染にはハンドスクリーン捺染、手描き捺染、型紙捺染などがあります
機械捺染にはローラー捺染、スクリーン捺染、転写捺染、インクジェット捺染などがあります
「捺染」と聞くと「なにそれ?」となりがちですが、「印刷」といえば多くの人が分かっていただけるのではないでしょうか
捺染の概要を解説してきましたが、捺染といっても数多くの種類があることをお分かりいただけたかと思います
しかしこれが全てではなく、実は今回紹介できていない捺染方法はまだまだ多くあります
多くの人が思っている以上に、「印刷」とはとても奥が深いものだと思います
柄や模様が印刷してある製品を見た際には、ぜひこの記事のことを思い出していただければと思います
ではまた!
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