保温性繊維とは?保温性繊維の特徴、種類、用途について解説

保温性繊維 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような人にオススメ!

・保温性繊維ってなに?
・保温性繊維にはどんな種類があるの?
・保温性繊維は何に使われているの?

どもどもTにぃです

「保温性繊維」という繊維をご存知でしょうか?

保温性繊維とはその名の通りで保温効果を有する繊維のことです

繊維自体が保温効果を有しているため、特殊な加工を施さなくともその繊維を使用して製品をつくるだけで保温効果が得られるものが多いです

保温性繊維は特に寒い冬に重宝する製品に使用され、衣類を始め私たちの身の回りには保温性繊維を使用した製品が数多く存在しています

今回はそんな保温性繊維について解説していこうと思います

この記事を読むことで、保温性繊維とは、その特徴、種類、用途についてお分かりいただけ、保温性繊維についての理解が深まると思います

ぜひ最後までご覧ください

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保温性繊維ってなに?

保温性繊維

・人が発する熱の放出を防ぐ役割を果たす繊維
・熱伝導率の低い空気を閉じ込めることで保温
・軽量効果も合わせて得られる場合が多い
・吸湿発熱繊維や蓄熱保温繊維などもある

保温性繊維とは人体が発する熱を、衣服内に閉じ込めた静止空気で遮断して外部への放出を防ぎ、保温する繊維のことです
つまり熱が外に逃げるのを防ぎ、快適な状態を保つことを目的とした繊維です

空気の熱伝導率は繊維よりもかなり小さいため、閉じ込める静止空気の量を増やすことでより保温性を高めることができます
この保温の原理は水筒などでよく見られる「魔法瓶」と同じ原理です

多くの空気を閉じ込めるためには中空構造や異形断面が有効で、これらの手段は同時に軽量化にもつながります

保温性繊維には単に保温するだけでなく、特殊な加工を施すことで太陽光を吸収し熱に変換して蓄える蓄熱保温繊維もあります
また類似の繊維として吸湿に伴って発熱する吸湿発熱繊維というものもあります
吸湿発熱繊維については下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

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保温性繊維にはどんな種類があるの?

保温性繊維の種類

・中空繊維
・海島繊維
・異形断面繊維
・極細繊維、超極細繊維  など

保温性繊維はその繊維の構造からいくつかの種類に分けることができます
今回はその代表例をピックアップして解説していきます

     

中空繊維

中空繊維とは繊維の中に中空部を持つ繊維のことです
つまり中に空洞があり円柱状となっている繊維ということです
中空部を持つことでそこに空気を閉じ込めることが可能となり、結果保温性が向上します
中空繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください

     

海島繊維

海島繊維は母体となる海成分の中に多数の島成分が繊維状に配列した繊維のことです
海島繊維の島部分を除去することで多数の空洞を持った繊維をつくることができます
海島繊維は先ほどの中空繊維も合わせて複合繊維の状態からつくられる場合があります
複合繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください

     

異形断面繊維

異形断面繊維とは繊維の断面が丸ではなく、丸円柱状ではない繊維のことです
異形断面には三角断面や十字断面、「井」の形をした断面など多数あります
丸断面の繊維から糸をつくると比較的繊維同士の隙間が埋まってしまいがちなのですが、異形断面であれば繊維同士の隙間が多くなり、その隙間に空気をため込むことが可能となることで保温効果が期待できます
異形断面繊維であればどのような形状でも保温効果が期待できるわけではなく、ある程度複雑な形状をしている必要があり、「井」の形のように中空部分を持つと保温効果がより期待できます
異形断面繊維に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

     

極細繊維、超極細繊維

極細繊維、超極細繊維とはその名の通りでとても細い繊維のことです
マイクロファイバーやナノファイバーとも呼ばれます
これらの繊維を表面積が大きくなり、空気の流通を妨げることで保温効果が期待できます
一般的にこれらの繊維は保温性繊維に分類されることは少ないですが、保温性を期待できる繊維として今回はピックアップしました
マイクロファイバーナノファイバーに関しては解説した記事がありますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください

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保温性繊維は何に使われているの?

保温性繊維の用途

・衣類
・寝具
・インテリア  など

保温性繊維は普段から私たちの身の回りにある繊維製品に使用されています

保温性繊維の用途について代表例をピックアップして紹介します

【衣類】
保温性繊維の用途として一番最初に思い浮かぶのは衣類だと思います
コート、ジャケット、シャツ、インナーなどあらゆる衣類に対して保温性繊維は使用されています
当然冬物衣類に対して使用されることが多いです
特にコートに対しては保温性だけでなく軽量化も期待できるため非常に適した繊維であるといえるでしょう

【寝具】
保温性繊維は毎日使用している寝具にも使用されます
特に布団が多いですね
布団の生地にはもちろん、中綿にも中空繊維が使用されることがあります
冬の寒い時期に快適な睡眠を提供してくれる寝具にも保温性繊維が適していると思います

【インテリア】
実はインテリアにも保温性繊維は活用されているのです
カーテンなどに使用され、室内の暖かい空気を外に逃がさないようにする役割を果たします
また保温性繊維からつくられる不織布を障子に使用している事例もあります
外気を遮断しつつも、やわらかく光を取り入れることが可能となります

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まとめ

まとめ

・保温性繊維は人が発する熱の放出を防ぐ役割を果たす繊維
・熱伝導率の低い空気を閉じ込めることで保温
・中空、海島、異形断面などの種類がある
・衣類、寝具、インテリアなどの用途で使用される

今回は保温性繊維について解説してきました

保温性繊維とは人体が発する熱を、衣服内に閉じ込めた静止空気で遮断して外部への放出を防ぎ、保温する繊維のことです

空気の熱伝導率は繊維よりもかなり小さいため、閉じ込める静止空気の量を増やすことでより保温性を高めることができます

保温効果が期待できる繊維としては「中空繊維」「海島繊維」「異形断面繊維」「極細繊維、超極細繊維」などが挙げられます

コートなどの衣類、布団などの寝具、障子などのインテリア用途として使用されています

保温性繊維は自ら熱を発するわけではありませんが、特に寒い時期に私たちが快適に生活できるよう手助けをしてくれている心強い味方です

保温性繊維が使用されている製品なのかは消費者には分かりにくいですが、そのような繊維があるということを知っておいていただければと思います

ではまた!

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