合成皮革とは?人工皮革との違いについて解説

合成皮革 人工皮革 繊維製品の基礎知識
この記事はこのような方にオススメ!

・合成皮革って何?
・人工皮革って何?
・合成皮革と人工皮革はどう違う?

どもどもTにぃです

みなさん合成皮革はご存じですか?
略して合皮と呼ばれる場合も多いですね

「そもそも皮革ってなに?」という人は下の記事で皮革について解説していますので、まずはそちらをご覧ください

   
合成皮革とは天然皮革を模してつくられる人造皮革の事です
人造皮革と言っても実際には動物の革ではなく生地を加工した物です

合成皮革は衣服や靴、鞄、自動車内装材など様々なところに使われます
牛革等の本革はエシカル志向や頭数の関係もあり、むやみやたらに使う訳にはいきません
そこで工業生産できる合成皮革ならば安定生産ができると言う事もあり人気となっています

そんな合成皮革と同じような物で人工皮革はご存じですか?
人工皮革も天然皮革を模してつくられる物です
しかし合成皮革とは異なる物として分類されます

今回はそんな合成皮革と人工皮革について、それらの違いについても説明していきます

ぜひ最後までご覧ください

スポンサーリンク

合成皮革とは

合成皮革とは

・天然皮革を模してつくられる人造皮革の一種
・織編物に樹脂を含侵、コーティング
・金型で凹凸をつけたりしてより外観を近づける
・基材の織編物の種類を選ぶ事ができる
・人工皮革より価格が安い

合成皮革とは天然皮革を模してつくられる人造皮革の一種です

天然皮革に関しては下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください

   
基材には織物や編物を使用し、塩化ビニルやポリウレタン等の合成樹脂を含侵、コーティングさせつくります
そしてそこにエンボス加工で凹凸をつけたり樹脂層を発泡させたりする事で外観や触感をより天然皮革風にしています

かつては塩ビ樹脂でのコーティングが主流であったため、塩ビレザーとも呼ばれていました
しかし現在ではほとんどがウレタン樹脂となっています
ウレタン樹脂を使う事で柔らかく弾性力があり風合いも良くなるからです
また塩ビ樹脂は焼却時の条件によってダイオキシンが発生してしまい、人体や環境への影響が危惧される為敬遠されるようになりました

そして基材が織編物である為、その種類を選ぶ事ができます
当初は厚地の織物が多かったようですが、衣類用途として柔らかさを得るために編物を使う事もあります

また合成皮革はその比較的シンプルな構造から人工皮革よりも安くなりやすいです

スポンサーリンク

人工皮革とは

人工皮革とは

・天然皮革を模してつくられる人造皮革の一種
・特殊な不織布にポリウレタン樹脂を含侵
・金型で凹凸、起毛、コーティング等で外観や触感を近づける
・基材のバリエーションは少ない
・合成皮革よりも価格が高い

人工皮革も同様に本革を模してつくられる人造皮革の一種です
基材にはランダム三次元立体構造の特殊な不織布を使い、ウレタン樹脂を含侵させてつくります
この基材にウレタン樹脂を含侵させる事で天然皮革にあるコラーゲン層に模した物を作り出しており、より本物に近い風合いを再現することが可能です
また基材にマイクロファイバーやナノファイバーを使用し起毛させる事で産毛感のあるスエード調にする事も可能です
もちろんコーティングや金型で凹凸をつけて外観を近づける事もできます

こちらの基材は特殊である為、繊維をある程度選ぶ事はできますが種類は豊富ではありません
基本的にはポリエステル、ナイロン、アクリルである事が多いですね

基材が特殊である事や製品によっては後加工が多くなる事があり合成皮革よりも高くなる傾向にあります
しかしその分、見た目も触感も風合いもより天然皮革に似せる事が可能です

人工皮革に関しては下の記事で劣化についての解説をしていますので、ぜひ合わせてご覧ください

スポンサーリンク

合成皮革と人工皮革の違い

合成皮革と人工皮革の違い

・基材が合成皮革は織編物で人工皮革が不織布
・厚み等の種類は合成皮革が選びやすい
・人工皮革のほうがより再現性が高い
・複雑な構造になりやすい人工皮革が高い

【基材が合成皮革は織編物で人工皮革が不織布】
これら2つの大きな違いは基材の部分です
合成皮革は織編物である一方人工皮革は特殊な不織布となっています

【厚み等の種類は合成皮革が選びやすい】
織編物であれば種類も豊富で厚みや柔らかさ等用途に合わせて基材を変えることが容易です
一方、特殊な不織布であればそこまで種類も豊富ではありません
また立体構造と言う事で厚みが出る傾向があります

【人工皮革のほうがより再現性が高い】
不織布とウレタン樹脂を使用する事でより天然皮革に近い風合いにすることが可能です
塩ビ樹脂では固くなりがちですが、ウレタン樹脂は柔軟であるため本物っぽくなりやすいですね
また起毛してスエード調やコーティングして銀面調等表面の種類も選べますね

【複雑な構造になりやすい人工皮革が高い】
合成皮革に比べて人工皮革のほうが値段が高なりやすいです
これは基材が特殊な物である事と、コーティング、起毛、エンボス、染色などの後加工が増えてしまうからです
こだわる事ができる一方、こだわるほど高くなってしまうと言う事ですね

スポンサーリンク

まとめ

まとめ

・合成皮革は織編物が基材で種類豊富で安い
・人工皮革は特殊な不織布が基材で再現性があって高い
・どちらも本革に似せてつくられるもので幅広い用途で使われる

今回は合成皮革と人工皮革の違いについてお話してきました

合成皮革と人工皮革を分かり易く区別すると基材の違いという事になります
しかし考え方によっては合成皮革の中の人工皮革と言う考え方もあります
そしてその考え方も正解なのだと思われます

恐らく天然皮革を模して合成皮革がつくられ、そこを突き詰めるうちに人工皮革が開発されたと言う歴史だと思われます
その流れならば合成皮革の中の人工皮革と言う考えは間違っていないでしょう

いずれにせよ表示の際は合成皮革だけでなく人工皮革と言う表示も存在します
よってその違いをしっかり理解して使い分ける必要があるでしょう

今回は中々難しい分野でした
これからも頑張って勉強していきましょう

ではまた!

コメント